車のトノカバーなぜ減少? かつて標準だった装備がオプション中心となった理由

以前と比べて見られなくなったクルマの装備に「トノカバー」というものがあります。乗員のプライバシーを守る装備ですが、なぜ標準装備されなくなったのでしょうか。

乗員のプライバシー守る「トノカバー」なぜ減った?

 クルマの装備には、近年新たに登場して普及が進んできたものと、以前より装備されることが少なくなってきたものの両方が存在しますが、標準装備されることが少なくなった装備のひとつに、荷室に備わっていた「トノカバー」があります。

 なぜ、トノカバーは装着されることが減ったのでしょうか。 

トノカバーの例

 トノカバーとは、クルマの荷室の上部に固定されて「目隠し」の役割を果たす装備のことを指します。積まれている荷物が車外から見えないようにして、乗員のプライバシーを守ることが目的です。

 荷室が大きくなるほどトノカバーも大型になりますが、種類によっては巻き取り式でかさばらないように設計されているものもあります。また、バックドアと連動して動いて荷物の出し入れを阻害しない作りになっているものも存在します。

 しかし、近年ではオプション装備となるケースが多く、標準装備のクルマは減少しました。なぜ標準で装着されるクルマが減ったのでしょうか。三菱自動車は次のように説明します。

「弊社の現行ラインナップのなかで標準装備されているクルマは無く、すべてディーラーオプション設定となっています。以前はステーションワゴンなどで標準装備の車種も存在していたので、標準で装着される割合は減少しています。

 オプション設定とした理由は、必要性を感じないお客様にとっては荷物になってしまうことからです。お客様の意思で選択して購入いただけるようにいたしました」

 ※ ※ ※

 現在ではオプション設定が主流となっているトノカバーですが、その一方で近年では車両後方のドアガラスに「プライバシーガラス」が採用されているクルマが主流となっています。

「プライバシーガラス」の場合、外から車内を覗くとスモークがかかっているように見えるため、積載されている荷物は見えにくい状態です。このためトノカバーを使わずにプライバシーが確保できるようになったことも、衰退した理由のひとつと考えられます。

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