カフェ化なぜ増える? クルマ屋が男性主体から女性やファミリーへ客層を変える理由
一昔前のカーディーラーだと、クルマの展示スペースと商談スペースと受付のみといったイメージがありますが、近年ではカフェメニューを提供する店舗が増えました。それはなぜなのでしょうか。
カフェスペースやキッズスペースの併設で新たなユーザー層を取り込む
最近、カーディーラーにはカフェが併設されていたり、キッズスペースが設けられていることがあります。
一昔前のカーディーラーだと、クルマの展示スペースと商談スペースと受付のみといったイメージがありますが、近年ではカフェメニューを提供したり、子どもが遊べるおもちゃや絵本などを用意しているお店も少なくありません。
一般社団法人、日本自動車工業会が2018年3月に発表した「2017年度乗用車市場動向調査」におけるユーザー層の特性を見ると、「主運転者の続柄は家計の中心者が60%、配偶者が34%と前回からほとんど変化なし」と報告が上がっています。
つまり、6割は家計の中心者になり得る男性ですが、その配偶者である女性も2013年の調査以降、ほぼ3割をキープしています。それだけ既婚女性のドライバーが増えているというのが実態といえます。
カフェが併設されたカーショップが増えているのはどういう理由なのでしょうか。従来のカーショップは男性目線になりがちで、ただ単にクルマを見に来るための場で、お店に入るのに抵抗を感じていた女性も多かったといいます。
しかし近年では女性ドライバーが増え、軽自動車の需要も増えました。お店の敷居を低くして女性でも入りやすい雰囲気作りが重要になってきています。
女性客は、今後のクルマ社会において新規ユーザーになり得る重要な存在。その需要を開拓するために、地域密着型の交流しやすい場としてお店を整えておけば、新規顧客発掘に繋がることは明らかです。
このように、増加中の女性客や将来的にクルマの保有を望んでいるファミリー層へアピールすべく、カフェスペースやキッズスペースの併設などで、女性客やファミリー層を取り込んでおくことが重要であると周知され、各自動車関連会社がカフェ併設に力を入れています。
愛知県の「名古屋トヨペット稲沢店」では、カフェと書店の融合型の次世代店舗をスタートさせて人気を博しています。さらに東京丸の内では 「BMW Group Studio」が「DEAN & DELUCA」とのコラボレーションをし、六本木ではメルセデス・ベンツが「Mercedes me」をオープンしています。ここではカフェのみならずバーも併設しています。
なぜ、自動車各メーカーは販売店にカフェやバーを作るのでしょうか。第一の目的は、クルマに興味がなかった層の獲得と、ブランドの知名度アップです。
クルマはクールでカッコいいイメージがありますが、工業製品のためどちらかといえば冷たく無機質なイメージです。温かい飲み物や焼きたてのパンなどを提供することにより、実際来店するユーザーへリラックスしてもらうことができます。
輸入車に関していえば、敷居の高いクルマを身近に感じられるうえ、気軽に試乗を楽しむことも可能です。
メルセデス・ベンツがよい例で、「Mercedes me」では自動車所有者に限らず、子どもからお年寄りまで、ウェブサイトで「My Mercedes」に登録をすれば、併設のカフェ利用やグッズショップでの購入でポイントが貯まる仕組みになっており、さまざまな特典を受けることができます。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。