次元が違う!総工費3000億円のテストコースで新型「スープラ」を激走 真の実力とは
世界的に有名なドイツのニュルブルクリンク。そこを模したといわれるトヨタのテストコースが初披露されました。初試走は、2019年5月17日に発表された新型「スープラ」で実施。どれほどのポテンシャルをもったクルマなのでしょうか。
日本のニュルで試走した新型スープラの実力はいかに?
トヨタが愛知県に大きな大きなテストコースを作っている、というニュースは御存知かもしれません。総工費3千億円ともいわれており、国家規模のプロジェクトに匹敵するほどです。
考えてみたらトヨタの業績が落ちたら日本全体に影響を与えます。余裕のあるウチ将来を考えた投資をするというのは正しい判断なのかもしれません。

今回、新型スープラの試乗で使われたのは、第一期工事で完成したニュルブリックリンク(ドイツ)のような一周5.3kmのカントリー路。WRCで使うコースのように、先が見えないアップダウンやジャンピングスポット、コーナーの途中に大きなギャップありサスペンションがフルボトムするような厳しい路面状況をワザと作り出してます。
初披露ということもあり、アルファードに同乗してコース紹介をしてもらいます。イメージとしては、ニュルブリックリンクと、フィンランドラリーのコースのようなアップダウンがあって、けっこう意地悪な設定。といっても道路は走ってみなくちゃ解りません。早速、新型スープラに乗り換えて試乗を始めてみましょう。
1台目は、2リッター直噴ターボから258馬力/400Nmを引き出す「SZ-R」。コースインし、普通のワインディングロードだと考え「少し攻める感じのペース」で走り出します。
絶対的な出力は「必要にして十分ですね!」。8速ATのギア比やシフトフィールも(マニュアルでシフト操作するとタイムラグを感じない)スポーティで良い感じです。1ラップしてコース状況を確認。少しずつペーアップします。
すでに出回っている新型スープラの試乗レポートを見ると基本的に「素晴らしい!」ばかり。ウソを付けない筆者(国沢光宏)の評価は果たしていかに。
まず良い面は動きの素直さです。ハンドル切ると何のストレスもなくフロントノーズが向きを変え始めます。
一般的な後輪駆動車の重量配分を見ると、パワフルなエンジン積む車種ほど前輪荷重大きく、攻めたらアンダーステアが出ること多いです。さらにハンドル切った際「フロントの重さ感」も出てきます。しかし新型スープラの場合、とにかくフロントがシャープ。ハンドル切ったらレーシングカートの如く曲がろうとします。
ただ物理的な限界を超えたら、必ずどこかが滑り始める。新型スープラでいえば後輪です。前輪はキッチリ曲がって行くのに対し、後輪が流れます。前輪流れたら曲がらなくなり「アンダーステア」。
後輪が流れると曲がり過ぎる「オーバーステア」になりますが、レーシングドライバーからすれば前者より後者の方が楽しいです。
普通のドライバーだと後輪流れたら「うひゃ~!」と焦りますが、レーシングドライバーからすれば後輪流れるのはアクセルワークでコントロールすれば良く、もっといえば前輪流れるアンダーステアは速度落とさないと対応が出来ないため、「反省」のドライビングです。一方、後輪流れるのは「攻める量」の調整で良いのです。




















