【今日はなんの日】世界初の長距離自動車レース開催日

1895年6月11日は、フランスのパリ~ボルドー間で世界初の長距離自動車レースが開催された日です。クルマの完成度が低い当時、クルマにもドライバーにも極めて過酷なレースでした。

世界初の本格的な長距離自動車レース「パリボルドーラリー」

 1895年6月11日、世界初の本格的な自動車レースがフランスの「パリ~ボルドー」間で開催されました。このレースは走行距離の長さから「パリボルドーラリー」と呼ばれており、パリ近郊のベルサイユからスタートしてボルドーで折り返し、またパリへ戻るという往復1200キロを3日間で走る過酷なレースでした。

世界初の長距離レースで1位に輝いた「パナール・ルバソール」号:出典 トヨタ博物館

 電気自動車、蒸気自動車、ガソリン自動車などの合計22台が出走しましたが、完走したのはガソリン自動車8台と蒸気自動車1台だったようです。なんと、あのミシュラン兄弟がミシュラン初の空気入りタイヤを装着した「エクレール」で非公式に参加していたそうです。

 このパリボルドーラリーにトップでゴールしたのは、エミユ・ルバソールが運転した「パナール・ルバソール」で、タイムは48時間48分でした。

 木工の機械工場を共同で運営していたエミユ・ルバソールとルネ・パナールは、1890年にダイムラーのエンジンを使って自動車を初めて製作します。車体の改良を続けてつくり上げた「パナール・ルバソール」でパリボルドーラリーに出場し、見事優勝をおさめたのです。

 パナール・ルバソールは、はじめの500キロで約10台がリタイアしていくなか、独走でボルドーへ到着します。それは想定していたよりもずっと早い記録だったようです。

 交代予定のドライバーが控えていたものの居眠りをしていたらしく、ルバソールはボルドーでサンドイッチを食べ、散歩をしてから寝ずにパリへの復路を運転しました。

 レースの後ルバソールは「パリまであと50キロのところでレストランに寄って豪華な間食をした。それで随分と元気になったが、今は少しくたびれた」と語ったと言い伝えられています。

 しかし、4人乗りの競技規則に反して2人乗りであったという理由から、優勝は58時間でゴールしたプジョーに与えられました。

 ルバソールはパリボルドーラリーから間もない1897年のパリ~マルセイユのレース中に事故で命を失ってしまいますが、パナールはその後もクルマの製作を続け、第一次世界大戦の前には「パナール」を世界最大の自動車会社のひとつにまで成長させました。

 このパナール・ルバソールは現在の自動車における基本的な形態を決めたものとして、自動車技術史上、とても高い評価を受けています。エンジンをドライバーの前に搭載したのもこのクルマが最初だといわれています。

 なおこのレースが行われたのは、1886年に世界初のガソリン自動車がダイムラーにより開発されてから約10年後のことでした。

【了】

当時のクルマは時速20キロが最高速だった!?

【2024年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー