日本の自動車税は高い? 複雑怪奇な税制の日本が諸外国と違う部分
「税金が高い」と叫ばれる日本の自動車業界ですが、果たして本当に高いのでしょうか。諸外国の税制事情や今後変わってゆく日本の自動車税について考察します。
日本のクルマ関連の税金は米国に比べると31倍にもなる
「日本はクルマの税金が高い」といわれています。自動車工業会の豊田章男会長も、「日本のクルマ関連の税金は米国に比べると31倍で、税金を何とかしたい」と述べています。
最も気になるのは「クルマのユーザーが、どの程度の税金を負担しているか」でしょう。自工会の算出によると、エンジン排気量が1.8リッターで車両重量が1.5トン以下の場合、車両の平均耐用年数(平均寿命)となる13年で計算すると、自動車税の納税総額は51万3000円です。
自動車重量税は16万円ですから、両方を合計すれば保有段階で67万3000円の税金を負担しています。
日本に比べると、諸外国の自動車税は大幅に安いです。とくにアメリカの税額は2万2000円なので、日本で納める67万3000円は先に述べた31倍に達します。ドイツは23万8000円だから日本は2.8倍なので、日本の自動車ユーザーは、確かに高額な税金を納めています。
ただしこれらの比較は、クルマを保有する段階の課税についてです。総務省のデータによると「日本のガソリン税(ガソリンに含まれる税金)は1L当たり53.8円ですが、ドイツでは80.8円(0.66ユーロ)」とされています。
保有段階で徴収される自動車税と自動車取得税は日本が高額ですが、使用段階の燃料課税は欧州の67%前後と安いのです。また欧州の場合、国によっては取得時に納める付加価値税も高額なので、税金がさらに高まる場合もあります。
その結果「走行距離や新車の買い替えの仕方によっては、日本の自動車関連の税金は、欧州よりも安い」という指摘もあるのです。自動車関連の税金が全面的に安いのは、移動をクルマに頼り、公共の交通機関に力を入れないアメリカなどに限られます。
従って日本の自動車関連の税金が、海外に比べて高いとか安いと考察するのは適切ではないでしょう。国によってクルマを取り巻く事情が異なり、税金のシステムも違うからです。
あのガソリン価格+税のところに消費税かけるのやめてほしい。ガソリン価格の部分だけに税金をかけるのなら納得がいくが、そうではない今のやり方は全く国民を馬鹿にしているとしか思えない。