ターゲットはトヨタのGT パワーで「ぶっちぎれ!」日産ターボ車5選

女性に人気だったマーチにもターボエンジンを搭載

●フェアレディ300ZX(VG30ET搭載・1983年発売)

日米で若者から絶大な支持を得た「フェアレディ300ZX」

 1982年10月、2代目「フェアレディZ」に2リッター6気筒SOHCターボの「L20ET型」エンジンが搭載されましたが、翌1983年9月には、さらにハイパフォーマンスなスポーツカーに発展させた3代目「フェアレディZ」が発売されました。

 搭載されたエンジンは、セドリック/グロリアに搭載していた2リッターと3リッターのV型6気筒SOHCエンジンにターボを装着したもので、トップグレードの「300ZX」は最高出力230馬力、最大トルク34.0kgmと、当時の国産車としては強烈なものだっただけでなく、欧州仕様では最高速度が250km/hを超え、世界中から注目されました。

 300ZXだけでなく、2リッターターボエンジンの「VG20ET型」を搭載したモデルでも最高出力170馬力、最大トルク22.0kgmのスペックを持ち、他社の2.8リッターモデルと比べても遜色ない走りを見せてくれました。

 このVG30ET型エンジンをベースにDOHC24バルブ化された「VG30DET型」、さらにツインターボ化された「VG30DETT型」は、長い期間、日産のプレミアムカーに搭載され続けました。

●マーチ ターボ(MA10ET搭載・1985年発売)

リッターカークラスの高性能化に対応した「マーチ ターボ」

 1982年にデビューした「マーチ」は、最高出力57馬力の1リッター4気筒SOHCエンジンを搭載。600kg台前半の軽量コンパクトなボディには十分な出力があり、とくに若い女性を中心に人気となりました。

 しかし、1983年にはダイハツ「シャレード デ・トマソ・ターボ」、1984年にはスズキ「カルタス 1000ターボ」が発売され、リッターカークラスにも高性能化の波が押し寄せてきたことで、1985年2月のマイナーチェンジ時に「マーチ ターボ」が加わりました。

 1リッター4気筒SOHCターボエンジンの「MA10ET型」は最高出力85馬力、最大トルク12.0kgmを発揮し、リッターカーを大きく超える加速性能を誇りましした。

 さらにライバルたちの高出力化が進むと、日産はターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機を備え、最高出力110馬力、最大トルク13.3kgmを発揮する「MA09ERT型」エンジンを搭載した「マーチ スーパーターボ」を発売し、真正面から対抗しました。

※ ※ ※

 1980年代の日産車はターボエンジンで元気を取り戻し、次は何が出てくるのか楽しみな時代でした。

 現在は「ぶっちぎれ」のキャッチコピーを掲げていますが、さらにワクワクさせてくれるクルマの登場を期待したいものです。

【了】

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