ターゲットはトヨタのGT パワーで「ぶっちぎれ!」日産ターボ車5選

「名ばかりのGT達は、道を開ける」というキャッチコピーを知っていますか? かつてトヨタと日産がパワー競争を繰り広げていた時期にトヨタが発信したメッセージで、対する日産はターボのパワーで“ぶっちぎれ”とばかり高性能車を次々登場させました。

トヨタに対抗、続々と登場した日産ターボ車

 かつて、国内メーカーは生き残りを賭けて特徴的なクルマを多く作っていました。そのなかでもトヨタと日産は「ブルーバード」と「コロナ」のBC戦争といった言葉に象徴されるくらい競い合ってきました。

ターボの登場でハイパワー化はイッキに加速した

 1973年の「第1次オイルショック」後は排出ガス規制でいったんはエンジン性能競争が収まります。しかし、DOHCエンジンでトヨタが「名ばかりのGT達は、道を開ける」というキャッチコピーを用いた時期、日産は高出力化を狙ってターボチャージャー搭載の準備を進めていました。

 そして、1979年からターボの威力で各セグメントのトヨタ車を文字どおり「ぶっちぎれ!」とばかりに挑みました。

 そこで、いまに続く日産のターボ車の歴史のなかから、セグメント別に代表的なモデル5車種をピックアップして紹介します。

●セドリック/グロリア ターボ(L20ET搭載・1979年発売)

国産乗用車初のターボ搭載車という栄冠を勝ち取った「セドリック/グロリア ターボ」

 1979年6月に登場した5代目「セドリック/グロリア」には、最高出力145馬力の2.8リッターエンジン搭載車がありましたが、同年9月にトヨタ「クラウン」がモデルチェンジし、エンジンが140馬力の2.6リッターから145馬力の2.8リッターにスイッチされました。

 そこで、日産はフルモデルチェンジからわずか4か月後の10月に、日本初の乗用車ターボエンジンとなった2リッター6気筒SOHCの「L20ET型」エンジンを追加ラインナップします。

 最高出力は145馬力と2.8リッターエンジンと同じで、最大トルクは2.8リッターに若干劣るものの、ターボの過給が始まってしまえばイッキに加速してくれました。

 当時は2リッターを超えるクルマは自動車税などが大幅に高かったため、クラウンがさらに高出力の2.8リッター6気筒DOHCエンジンを搭載しても、セドリック/グロリアのターボ車の人気はキープできました。

 このL20ET型エンジンは1980年4月に「スカイライン」に搭載され、続いて「レパード」「ローレル」「フェアレディZ」にも搭載。1982年に登場した2リッター6気筒DOHC24バルブエンジンを搭載した2代目トヨタ「セリカXX 2000GT」を上回る加速力を持っていました。

●ブルーバード ターボSSS(Z18ET搭載・1980年発売)

生産終了後も長く人気を維持した「910型 ブルーバード ターボSSS」

 1979年発売の6代目「ブルーバード」は、スタイリッシュな直線基調のボディラインで、たちまち人気車種となりました。

 1980年3月には最高出力135馬力、最大トルク20.0kgmを発揮する1.8リッター4気筒SOHCターボの「Z18ET型」を搭載した「ブルーバード ターボSSS」を発売。

 同時期のトヨタ「セリカ/コロナ/カリーナ」のトップグレードに搭載されていた2リッターDOHCエンジンの最高出力は、ブルーバード ターボSSSと同じ135馬力でしたが、最大トルクは17.5kgmと、ブルーバードに及びませんでした。

 セリカの「名ばかりのGT達は、道を開ける」というキャッチコピーは「スカイライン2000GT」に向けられたものだと言われることが多いですが、セリカもコロナの派生車種のようなものでしたので、本当のライバルは「BC戦争」とまで言われたブルーバードだったのかもしれません。

 ちなみに、この6代目ブルーバードがFR最後のモデルで、7代目以降はFFとなりました。

●サニー ターボルプリ(E15ET搭載・1982年発売)

1.5リッタークラスが熱かった時代の「サニー ターボルプリ」

「サニー」は1981年登場の5代目でFFに変わり、エンジンは電子制御燃料噴射仕様で最高出力95馬力と十分な動力性能でしたが、1982年9月に1.5リッタークラス初のターボチャージャーを搭載した「サニーTURBO LEPRIX(ターボ ルプリ)」を投入しました。

 1.5リッター4気筒SOHCターボの「E15ET型」は、最高出力115馬力、最大トルク17kgmを発揮し、800kg程度の軽量な車体を軽やかに加速させました。

 当時、サニー ターボ ルプリのライバルは1.5リッタークラスではなく、ワンランク上の1.6リッター4気筒DOHCエンジンを搭載していたトヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」となります。

 それでもレビン/トレノは最高出力115馬力、最大トルク15.0kgmであり、かつ車体も50kg以上重かったため、サニー ターボ ルプリは圧倒的な加速力を見せつけることが可能でした。

 このE15ET型エンジンはターボ ルプリ以外にも「ローレルスピリット ターボXJ」「パルサーEXA ターボ」「パルサー ターボ」「ラングレー ターボGT」「リベルタ ビラ SSSターボ」と、共通のプラットフォームを持つ各車に搭載され、1.5リッタークラスの高性能化を推進しました。

「技術の日産」が生み出した往年のターボ車を画像でチェック(22枚)

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