海外王室の知られざる「おクルマ」 日本車との意外な関係性とは
海外の王室の方はどのような「ロイヤル・カー」に乗っているのでしょうか。イギリス女王、ブータン王国、ローマ教皇のちょっと変わった「おクルマ事情」を紹介します。
クルマ好きのエリザベス女王も「免許返納」を決断した
日本の上皇陛下はクルマがお好きで、皇居内を愛車のホンダ「インテグラ」でよく運転されていることは周知の事実ですが、イギリスのエリザベス女王も負けず劣らずクルマが大好きです。
御年90歳の頃にも、孫であるウィリアム王子の夫人、キャサリン妃を助手席に乗せて運転する姿が英紙「Metro」に掲載されるなど、まだまだ現役ドライバーというご様子が見てとれます。
エリザベス女王がクルマ好きなのは、第二次世界大戦時に「補助地方義勇軍(イギリス陸軍の女性部隊)」に従軍し、軍用車両の整備や弾薬の管理などの後方支援のほか、大型自動車の免許を取得し、実際に軍用の大型トラックの運転も行なっていたことに由来するといわれています。
当時は名誉職に過ぎなかったイギリス女性王族の慣例を打ち破り、一般兵士と同等の軍事訓練を受け、軍隊に従事した初めての女性王族という意味でも、エリザベス女王(当時は王女)は前衛的なな女性だったのです。
ご本人も一般兵士と同等の待遇を好んでいたそうで、こうした経験からご自身の子どもたちも宮廷ではなく一般の子女達と同じ学校に通わせることにしたとのこと。
そんなエリザベス女王の公用車はベントレー「ステート・リムジン」。ベントレー社がエリザベス2世在位50周年記念で開発した、世界でたった2台しかないという希少な車種です。
エリザベス女王が乗車されているときは、ボンネットにあるベントレーのオーナメント「B(Flying B)」が女王のマスコットである「竜を退治する聖ジョージ」像に交換されるなど、遊び心も忘れていません。
エリザベス女王の公用車は先述のとおりベントレー「ステート・リムジン」ですが、私用車は「レンジローバー」や「ジャガー」などを愛用されているようです。
初めに紹介したキャサリン妃を乗せて運転したときもレンジローバーで、その他にも静養に出かけたり、お城や公園などにピクニックに行ったりする際には私用車である「愛車」の運転を楽しまれる様子がたびたび報道されています。
ところが、2019年1月に女王の夫君であるエディンバラ公フィリップ殿下(御年97歳)が交通事故を起こしてしまい、2月9日に免許証を自主返納したことを受け、エリザベス女王自身もとうとう「公道での運転はやめる」と決心をされたようです。
イギリスでは免許証を女王自身の名の下に発行できることから、そもそも女王は免許証を持ってません。そのため、厳密には「免許返納」ではないということです。
平均寿命が伸びるにつれ、高齢ドライバーが事故を起こしてしまう悲しい報道は日本だけにとどまりませんが、皇族やロイヤル・ファミリーなど、国の象徴や代表となる方々が率先してこうした決断をすることで、一般の国民にもこれからどんどん意識が広まっていくことでしょう。
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