日産小型車の行方 ノートが主力でかつての人気車「マーチ」の存在意義とは

かつて日産の主力車種として販売面を支えていた「マーチ」。しかし、最近ではその座を「ノート」に奪われ影が薄くなっています。なぜ絶大な人気を誇ったマーチの人気が落ちてしまったのでしょうか。

欧州では進化を続ける「マーチ(欧州名:マイクラ)」

 日産にとってマーチは、「重要視されないモデル」になってしまった印象を受ける国内の市場ですが、グローバルモデルとして、とくに欧州では進化し続けているモデルとなっています。

 欧州では、「マイクラ」の名称で販売されているマーチは、3代目モデルまでは「マーチの欧州仕様」として販売されていました。

 しかし、2017年3月には新型マイクラとして、マーチとは別のモデルとなり販売されています。外観デザインは、日産のキーデザインとなる「Vモーショングリル」を採用するとともに、スタイリッシュな印象に変わっています。

 新型マイクラのボディサイズは、全長が3995mm×全幅1743mm×全高1455mmと、現行ノート(全長4100mm)よりも短く、日本では3ナンバー車のサイズです。
 
 パワートレインは、直列3気筒1リッターターボを設定。シリンダーの壁面にGT-Rと同様のコーティングを施すなど、従来のコンパクトカーとは力の入れ具合が違い、部品同士の摩擦抵抗が減ることで、燃費性能の向上を図っています。

 当時、日産のCEOだったカルロス・ゴーン氏は、次のようにコメントをしています。

「最初のマイクラが30年以上前にデビューした際、小型ハッチバックセグメントにおける革命を起こし、日産にとって新たな歴史の幕開けでした。

 最新のマイクラは、自動車デザインのリーダーとしての日産の地位を強化します。世界で最大かつもっとも競争の激しいBセグメント市場で最高の競争を勝ち取ります」

※ ※ ※

 このように、日本国内でのマーチはノートに主力モデルとしての座を譲りましたが、日産のグローバルモデルとしては、別モデルとなりつつも、マーチのDNAは受け継いでいくようです。

 また、日本ではすでに販売を終了している「パルサー」も欧州では販売され続けています。さらに、日本では影の薄い「シルフィ」も中国市場では人気の高いモデルとして、注目を集めています。

2019年4月に中国でフルモデルチェンジした「シルフィ」

 現在も日産の販売店で働くスタッフが次のように話します。

「最近の日産車は、モデルチェンジをなかなかしません。いまは、『e-POWER』のおかげでノートやセレナの販売が好調ですが、販売の現場としてはほかのラインナップでも押して行きたいのが正直なところです。

 いまは、インターネットで世界の動きを見ることができ、海外でしか販売されていないモデルを『日本に入れてほしい』と要望されるお客様も多くなってきています」

 マーチらしさは消えてしまいましたが、マーチのDNAを引き継いだ新型マイクラを日本にも導入することで、日産の国内販売はさらに活気が出るかもしれません。

【了】

新型マイクラや歴代マーチ、ノートから中国での人気が高い新型シルフィを見る(32枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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