日本唯一のショーファーカー「センチュリー」 1台ずつ手作業で作られる「匠の技」とは

伝統とお客様が映える「鏡」

 新型センチュリーの外板色設定は4色展開となり、新規開発のエターナルブラック「神威(かむい)」は、センチュリー独自のプロセスにより、奥深い艶と輝きをもつ漆黒を追求しています。

 塗装工程も、熟練の技が光ります。一つ目は、塗膜層の多さ。一般的なクルマが4層構成であるのに対し、センチュリーは黒染料入りのカラークリアなど7層を重ねて奥深い色味をつくり出しています。

 二つ目は、「水研ぎ」と呼ばれる工程。塗装と塗装の間で3回、塗装面の微細な凹凸を流水の中で研ぎ、滑らかで均一な表面に整えて、下地を丁寧につくることが綺麗な仕上がりの要です。最後に「鏡面磨き」により、一点のくもりも残さないように仕上げていきます。

 ちなみに、新型センチュリーの生産開始前に、作業者たちは石川県にある輪島塗の工房を訪れ、日本伝統工芸の漆塗りを学び、最高品質の漆黒を実現するうえで平滑で艶やかな漆黒を生み出す漆塗りの技術を参考にしています。

 また、センチュリーの後席に乗車する人の多くはVIPの人々です。後部座席から降りるときに、センチュリーのボディが上質な鏡となり、さりげなく身だしなみを確認できるのです。

 センチュリーの最高品質を保証するために、最終検査は非常に重要。なかでも、こだわりの塗装面は2種類の照明を使い分けて品質を検査します。

 まずは蛍光灯を使い、塗装面に反射する蛍光灯の映り方を見ながら、面の歪みやキャラクターラインの通り方を確認。

蛍光灯による塗装面検査

 次に使うのは人工太陽灯。新型センチュリーでは、屋外での使用環境により近い状態で念入りに評価をするために、すべての生産車両に対して人工太陽灯による検査をおこない、時間と手間を惜しまずに1台ずつ最高品質を作り込んでいます。

 センチュリーを手がける「クラフトマン」と呼ばれる熟練の作業者たちは、50年を越えるその歴史を誇りに思い、その技能にこだわりを持っています。

 機械的な作業では、センチュリーは完成しません。受け継がれた伝統の重みを受け止め、生産を許されるまで修行を重ねてきた作業者たちだからこそ、お客様のために丹精込めた1台をつくることができるのです。
 
 センチュリーの伝統と品格は、こうしたモノづくりの現場でも形づくられ、今後も受け継がれていきます。 

【了】

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