日本唯一のショーファーカー「センチュリー」 1台ずつ手作業で作られる「匠の技」とは

皇室や政府関係者から企業の社長までに愛用されるショーファーカー「センチュリー」。その生産工程は、日本の伝統技術を結晶させたものでした。では、実際にどのような流れで作られているのでしょうか。

日本で唯一のショーファーカー「センチュリー」

 普段、クルマというと自分が運転して目的地に向かうイメージがほとんどです。そんななか日本で唯一のショーファーカー(専属の運転手がいるオーナー向けの車)として、君臨し続けているのがトヨタ「センチュリー」。

 2018年6月のフルモデルチェンジにより、3代目センチュリーが誕生。歴代センチュリーは、トヨタ自動車東日本の東富士工場において、「匠の技」を持つ職人が1台ずつ手作業で作っていました。どのような工程を経て日本が誇る最高級セダンの「センチュリー」は誕生するのでしょうか。

センチュリーは「匠の技」が支えている

 初代モデル(1967年から1997年)は本格的ショーファーカーとしてV型8気筒3リッターのオールアルミエンジンを搭載して誕生します。

 2代目モデル(1997年から2017年)は、匠の技と先進装備で確固たる地位を確立。国産乗用車初のV12 5リッターエンジンを搭載し注目を集めていました。

 そして、3代目モデル(2018年6月)は「継承と進化による超高級車像を目指す」を目標として、V型8気筒5リッターのハイブリッドエンジンを搭載するなど、時代背景に合わせた仕様にモデルチェンジしています。

 センチュリーの工場は、ほかの生産工場とは大きく異なります。長い生産ラインもなく、設備や機械の発する大きな音も聞こえめせん。

 静かで広々とした空間において、「クラフトマン(職人)」と呼ばれる少数精鋭・熟練の作業者により、まるで作品を創るかのようにセンチュリーがつくられていきます。生産工程は、「プレス」「ボディ」「塗装」「組立」「検査」の5つにわかれ、各工程においてセンチュリーらしい匠の技が随所に織り込まれているのです。

 新型センチュリーのエクステリアデザインにおける注目点のひとつは、サイドボディのキャラクターラインに施された「几帳面」。

「几帳」とは、平安時代の貴族が自身の姿を隠すために使用した間仕切りのことで、几帳の柱に使われた、角を丸め両側に刻み目を入れる特徴的な面取り(角を滑らかにする仕上げ)から、几帳面と呼ばれるようになりました。

 緻密さが求められる細工であったことから、「几帳面だ」という、物事を正確に行うさまを意味する形容詞が生まれたといわれています。

 センチュリーのボディでは、熟練の作業者の手で、わずかな面の歪みを修正しながらこの几帳面が仕上げられているのです。

 ボディを仕上げるうえでは、几帳面のラインがフロントからリヤまで段差なく合っていなければならないうえ、高級車という性質上ドアが非常に重く厚い仕様になっています。

 そのため、後の組立工程で内装品の重量が加わると、ドア後端が下がり段差が生じてしまい、まずは「戸上げ」と呼ばれる技法を行います。下がることを見込み、あえて段差を付けた状態で取り付けることで、完成時に美しく見えるように調整するのです。

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