庶民の足から最新スポーツカーまで勢ぞろい 3輪自動車5選
いまでも新車で買える3輪自動車もあり
●マツダ「Tシリーズ」
ダイハツ「ミゼット」は個人商店の配達用として需要が高まりましたが、マツダはもっと大型の3輪トラックを製造していました。なかでも代表的なモデルが「Tシリーズ」です。
マツダは戦前からバイクをベースした構造の3輪トラック製造の実績があり、1957年には1.4リッターエンジンを搭載した2トン積みの「HBR型」を発売。
1959年に排気量をアップした「T1500」が発売され、1962年にはさらに排気量をアップした「T2000」を発売し、大型3輪トラック分野で人気を博します。
とくに都市部では車体の大きさの割に小回りがきくことと、3輪ならではの特性として片側の駆動輪が浮くことが少なく、悪路に強いというメリットがありました。
しかし、世の中は高速時代に突入し、3輪自動車のデメリットの方が浮き彫りになり、価格も4輪トラックに近くなったため、1970年代になると急速に淘汰されてしまいました。
●モーガン「スリーホイラー」
創立100年以上の歴史があるイギリスのスポーツカーメーカー「モーガン」は、3輪自動車の製造から始まりました。
モーガンというと、いまもほとんどの工程を手作りで製造しており、ボディの一部は木で作られるなど、量産とは無縁のモデルを作ることで有名です。
また、デザインも戦前のスポーツカーのイメージを貫いていますが、エンジンなどは近代化しています。
このモーガンが初期に作っていた「スリーホイラー」が2011年に、現代の技術で復活を遂げ、大いに話題となりました。
スリーホイラー最大の特徴は、車体の最前部に空冷V型2気筒エンジンが配置されていることです。排気量2リッターで69馬力と非力ですが、わずか585kgの車重には十分な出力となっています。なお、組み合わされるトランスミッションはマツダ製が使われています。
現在もスリーホイラーは新車で購入できますが、オーダーから納車までは1年前後かかる模様です。ちなみに価格は766万8000円(消費税込)です。
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日本では淘汰されてしまった3輪自動車ですが、モーガン「スリーホイラー」のように復活したモデルや、バイクのエンジンとドライブトレーンを流用したモデルが何台も発売されるなど、意外と注目されています。
かつての実用的なモデルではなく趣味で乗るものばかりですが、3輪自動車ならではの乗り味や魅力があるのかもしれません。
【了】
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