打倒ランクル!? かつては「サファリ」 日産が大型SUVを日本でレスキュー車として復活させた理由

日産は2019年4月に、国内で開催されるスーパーGTシリーズの「レスキュー車」として、日本未導入の「パトロールNISMO」を贈呈したと発表しました。かつては「サファリ」として日本で売られたこの大型SUVが、レスキュー車として日本で復活した理由は何でしょうか。

日本未導入の大型SUV、なぜ国内レースに用いられた?

 日産は2019年4月26日、国内で開催されるレース「スーパーGT」シリーズの「FRO(ファーストレスキューオペレーション)車両」(サーキットでのレスキュー車)として、大型SUVの「パトロールNISMO」を贈呈したと発表しました。パトロールは、かつて「サファリ」という車名で日本でも販売されていたSUVですが、なぜこのタイミングで採用されたのでしょうか。

日産・サファリ の中古車をさがす

贈呈された日産 パトロールNISMO

 2010年にデビューした現行モデルのパトロール(Y62型)は、中東などで販売されています。その後、2016年に北米で「アルマーダ」として販売され、世界的にも高い評価を受けています。

 両モデルは頑丈なラダーフレームに四輪独立懸架式サスペンションや5.6リッターV8エンジンが採用され、スペック的にもライバル車であるトヨタ「ランドクルーザー」に対抗できるものとなっています。

 しかし、残念ながら現行モデルは日本未導入です。パトロール(日本名:サファリ)は2007年6月を最後に国内での販売を中止しており、現行のY62型は日本国内で生産されていながらも、海外専用モデルとなっているのです。

 現行モデルは全長5305mm×全幅2030mm×全高1925㎜と非常にボディサイズが大きく、日本の道路事情において持て余し気味になるのが、導入されない理由のひとつともいわれています。

 しかし、国内にはサファリの根強いファンが多く、復活を望む声が少なくありません。今回のパトロールNISMOのニュースを見て、復活を期待している人も多いと思われます。そこで、日産ディーラーの関係者に発売の可能性について聞いてみました。

 都内にある日産ディーラーの営業担当者は、日本でのサファリ復活の可能性について次のように話します。

「残念ながら、直近での国内発売という話は聞いておりません。年度における長期販売計画にも入っていないようです。

 じつは、『サファリはいつ復活するんだ』というお問い合わせは意外と多くいただいています。日産にはかつて大型SUVとして『ムラーノ』などがありましたが、現在では『エクストレイル』が最も大きなSUVであり、より大型なSUVが欲しいという声が多いのです」

 一方、ライバル車のトヨタ「ランドクルーザー」は、2007年に登場した「200系」のフルモデルチェンジが近いといわれており、噂ではダウンサイジングしたV6ターボエンジンへの変更や、ハイブリッド4WDの採用など、さまざまな情報が浮上しています。

 国内販売車で新型車の話が少ない日産としては、新型ランドクルーザーが登場する前に日本では初導入となる現行モデルのサファリを少しでも売りたいという思惑があってもおかしくはありません。

 しかもパトロールは九州工場で生産されているので、輸送におけるコストも軽減できます。仮にY62型のフルモデルチェンジが数年後だとしても、サファリの復活は現在の日産にとって良いニュースになるはずです。

 また、トヨタがピックアップトラックの「ハイラックス」を2017年に国内導入して、成功を収めていることを考えれば、パトロールの日本での成功も目がないわけではありません。現行型パトロールはクルマの完成度としては申し分のないレベルに達していることから、そのまま日本で販売しても、高い評価を得ることができるはずです。

 ※ ※ ※

 パトロールがFROとして選ばれた理由としては「十分なサイズとパワーのクルマが必要だったから」というのが、実際のところだと考えられます。非常に堅実な国内営業を行っている日産が、モデル末期のパトロールをサファリとして販売するという可能性は低いといわざるを得ません。

 今回のFROのように、エアロパーツを纏った「NISMOバージョン」も用意すれば、日産ファンの熱い視線を集めることは必至。日本での発売を期待したいです。

日産・サファリ の中古車をさがす

これはデカい! 大型SUV「パトロールNISMO」のサイズ感をチェック(18枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

cozykoji へ返信する コメントをキャンセル

3件のコメント

  1. 販売会社の力のなさにはガッカリ。テラノ顔のダットサントラックを昔ディラーで入れていたみたいに
    台数は少ないのですが販売に寄与すると思うけど大ヒットはしないまでも何が当たるかは分からない。
    いつまでキューブ売ってんだよ。マーチ然り。エルグランドは賞味期限切れ!半額でもいらない。

  2. パトロールがオリジナル、サファリが後。消防車、などで活躍してました。中途半端な記事。

  3. ニスモだから外装は良いのに内装が平成中期。
    E51Y34のハンドル、オレンジのメーター、DVDナビ、
    当時はちょっと良い車種使われてたシートの質感、センターコンソールのデザイン
    懐かしい感じだけど、このままでは売れなさそうだね

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー