トヨタ「クラウン」と日産「スカイライン」 セダン不人気時代の明暗を分けた意識の違いとは

ここ数年、売れているクルマはコンパクトカー/ミニバン/軽自動車ばかりです。新車販売ランキングをみても、同様のモデルかハイブリッド仕様が目立っています。そんななか、セダンが不人気といながらも販売好調なのがトヨタの「クラウン」です。一方で日産を代表するセダンの「スカイライン」はなぜ苦戦するのでしょうか。

時代に左右されないクラウンと変化し続けたスカイライン

 最近の新車販売ランキングでは、依然としてコンパクトカーやミニバン、ハイブリッド車などが人気上位のモデルです。そのなかで、売れ筋グレードの価格帯が400万円を超える3ナンバー車は、ランキングの中堅から下位に位置しています。

 この条件における1位は、Lサイズミニバンのトヨタ「アルファード」。ミニバン人気もあり、アルファードが好調に売れるのは理解できますが、国産セダンの代名詞といわれる、トヨタ「クラウン」が高価格3ナンバー車の2位に入っているのです。

「セダンは不人気、高価格車も売れない」といわれるなかで、Lサイズセダンのクラウンは好調ですが、一方の日産を代表するセダンの「スカイライン」はなぜ苦戦するのでしょうか。

日本市場を意識し続けたトヨタ「クラウン」

 同じLサイズセダンでも、日産「スカイライン」は売れ行きが大幅に下がります。2018年にクラウンは5万324台を登録しましたが、スカイラインは2576台です。スカイラインの売れ行きは、クラウンの5%となり、同じ国産Lサイズセダンでありながら、販売台数に大きな差がついています。

 クラウンとスカイラインは、もともと両メーカーの基幹車種です。クラウンは初代モデルを1955年、スカイラインは1957年に発売しており、日本国内における乗用車の普及を支えました。スカイラインは当初プリンスの商品でしたが、1966年にプリンスは日産と合併して、日産スカイラインになります。

 両車の売れ行きは、以前はスカイラインが上まわっていました。1970年の登録台数は、3代目クラウンが8万9048台、3代目スカイラインは9万336台です。この後はさらに差が開き、1973年に「ケンメリ」の愛称で親しまれた4代目スカイラインは、15万7598台を登録して販売のピークを迎えるのです。

 一方のクラウンは、1971年に4代目にフルモデルチェンジしましたが、スピンドル・シェイプのフロントマスクが不評で売れ行きが伸び悩み、1973年の登録台数は9万8785台でスカイラインの圧勝。この後、クラウンは1974年に発売された5代目で、風格のある外観を取り戻して売れ行きを伸ばしますが、スカイラインにはおよびません。

 その後そして1987年に8代目になると、クラウンはバブル経済の効果もあって売れ行きを伸ばし、国内販売が最高潮に達した1990年には、クラウンも20万8016台を登録して販売のピークを迎えます。2018年に国内販売1位になったホンダ「N-BOX」が約24万台のため、当時のクラウンには凄い勢いがありました。

 両車の販売推移の特徴は、クラウンがピークをバブル経済期の1990年に迎えたのに対して、スカイラインは1973年と早かったことが挙げられます。

 そして、日産は1990年代に入ると業績を悪化させ、2000年以降は全店併売に移行して系列を撤廃。そうなると販売しやすいミニバンのセレナ、コンパクトカーのノートなどに力が入り、2001年に発売された11代目以降のスカイラインは、海外で売られるインフィニティ中心のクルマに。2014年に発売された13代目の現行スカイラインは、フロントグリルにインフィニティのエンブレムを掲げるほど海外指向を強めました。

 このようなスカイラインの状況を日産の販売店スタッフは次のように説明しています。

「スカイラインの走行性能は今でも高いですが、クルマ造りが海外向けになり、積極的に売り込む車種ではなくなりました。販売台数も下がっています。しかし根強いスカイラインファンのお客様も残っており、定期的に購入されています。

 スカイラインクーペが発売されたら必ず買うと約束しているお客様もおられますが、日産が国内に導入してくれません。スカイラインの認知度は今も高く、力の入れ方次第で売れるクルマだと思います」

 一方で、トヨタ店スタッフは次のように話します。

「セダンのグローバル化が進む中で、クラウンは日本をメインに企画・開発されています。全幅は1800mmに収まり、内外装のデザインも、日本のお客様にとっての高級感を大切にしています。

 そのため、グローバルカーのプリウスがボディを拡大しても、クラウンは現行型のサイズを維持するでしょう。そうしないとクラウンは国産高級セダンの代表ではなくなり、売れ行きも下げてしまうからです」

※ ※ ※

 両者の差は、国内市場に対する本気度の違いといえるのです。1970年代におけるスカイラインの超絶的な売れ行きは、当時のユーザーの好みとワイドなバリエーション構成、商品の特徴が合致した結果でしたが、その後の激しい凋落(2018年の売れ行きは1973年の1.6%)は、スカイラインが日本から離れた弊害にほかなりません。

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コメント

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8件のコメント

  1. 分析が自分勝手。
    確かにスカイラインは途中から迷走し、クラウンは王道を歩んだ。でも、理由はそれだけではないし、そもそもスカイラインの対比で言えばマークⅡをあげるのが順当だろう。
    そのマークⅡは迷走していないのにもかかわらず、販売中止になった。クラウンだけ、販売店の声を聞いて、マークⅡは聞かなかったとも思えない。
    感想を述べるのは勝手であるが、記事としてはどうだろうか

    • スカイラインの立ち位置はもっと特殊でしたよね。
      マークII兄弟にはローレルありながらスカイラインもライバルになり得ましたし、場合によってはスープラやフェアレディZもライバルだったと思う。
      ライバル、ベンチマークをトヨタでは無くドイツのセダンに置くべきだし、国内でもトヨタでは無くレクサスに置くべき。
      もっともGTRが独立したブランドになり、北米向けのインフィニティがスカイラインになった段階で既に車種とすると死んでいるのかなと思ったりもしました。ブランド名だけが残っている。

  2. クラウンと比べるべきはセドリック、グロリア。現行ではフーガなんじゃないの?ちょっと違和感ある記事になってますよ。

    • カッコ悪いし高い…それだけでしょ。

  3. 人気ブランドの「スカイライン」をハイソにすればマーク2シリーズに対抗できるとおもって「7th」を作って失敗したのと同じ轍を伝統ブランドの「スカイライン」でフーガを作って踏んでしまったという感じ。

    ディメンジョンはBMW-3erと同じなんだからスタイリングだけでもGTRをモチーフにするくらいの「バカ」をしていいとおもうのだがね。

  4. 比較対象の車種構成になっていないのでは?

  5. クラウンのライバルだったのはセドリックとグロリアだろ。
    マークII兄弟にはローレルがあったし、もっと独自の立ち位置の車だったんじゃ無いかなと思う。
    歴史的なライバルは自社のフェアレディだったと思う。

  6. この人、分析下手だけどほんとに編集長だったの?
    日本のカーメディアのレベルの低さがよくわかる記事だね。