レクサスや高級ブランド車が傷だらけ!? 「キレイに見せたい」が裏目に…中国ショーの実態とは

「キミ、本当に掃除してる?」2018年まで存在した美人清掃スタッフの正体とは

透明感あふれる笑顔をみせてくれた美人清掃スタッフ

 ところで中国のモーターショーのジープブースには、2018年までは白人の美男美女モデルがたくさんいたのですが、2019年は打って変わって地味路線に変更されていました。

 じつは中国のモーターショーでは、2015年の上海モーターショーや2016年の北京モーターショーから「過激な衣装のモデルは禁止」「単にクルマの横に立ってにっこりするだけのモデルは禁止」というお触れが出ていたのですが、ジープブースでは美男美女が「単なるモデルではない」ことの証拠に、掃除道具を持たせて立っていたようです。

 確かに、美しいモデルさんなら掃除度具を持って写真に写り込んでも絵になるかもしれません。

 2019年のモーターショーから美男美女が消滅したのは、米中貿易戦争の真っただ中だからでしょうか。中国では、2018年の後半からアメリカ車の販売が激減しています。

 ではなぜ、ここまでクルマを綺麗にすることやフロアの掃除を熱心に行うのでしょうか。日系自動車メーカーのブースの日本人スタッフは次のように説明します。

「清掃スタッフが多いのは、文化の違いがあることと、来場者に好印象を与えたいことが理由だと思います。中国は日本と違い、ゴミをポイ捨てする人や遠慮なくクルマにベタベタ触る人もいます。そのため主催者や出展社、会場や展示車両をキレイに保って、来場者に良いイメージを持ってもらいたいのです」

 ※ ※ ※

 確かに来場者の様子をみていても、展示車両を遠慮なく触る人が日本よりはるかに多いのは確かです。

 日本では子どもの頃から「綺麗に飾ってあるものをむやみに触ってはいけない」という教育を受けている人が大半ですし、お客さんがいる前では掃除をしないのが普通です。日本と中国で習慣や文化の違いは確かにあるのかもしれません。

 しかし、こんなにたくさんの清掃スタッフがずっと掃除をしていたら、クルマに近づくことや写真を撮ることもはばかられますし、塗装面は傷だらけになって、主催者や出展社が期待する「好印象」どころではないような気もします。

【了】

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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