世界を目指した日本車! GT-RやNSX、プリウスなど、平成生まれの名車と30年

平成後期はSUV人気とスポーツカーの復活

 車種展開としては、これまでニッチ商品だった乗用車派生のクロスオーバーSUVの人気が2010年代に入ると加速度的に広まり、最近ではセダンやハッチバックに代わるクルマのスタンダードとして定着します。

 これまでは無縁だったハイエンドメーカーも、この流れは無視できない状況になっています。最新のモデルはオン/オフをこなす走りやアクティブなデザインに加え、さまざまなニーズやコンセプトに合わせて“プラスα”の魅力があるため、ユーザー的には選ばない理由はありません。

 その一方で、市場的には縮小傾向のハッチバックモデルも、トヨタ「カローラ スポーツ」(2018年)、ホンダ「シビック」(2017年)、スバル「インプレッサ スポーツ」(2016年)、「マツダ3」(2019年)とラインナップを拡大。どれもこのクラスの王者・VW「ゴルフ」に肉薄する走りと独自の個性を備えてきました。

 自動車メーカー各社は、スポーツカーの重要性にも気が付き始めています。2012年に登場したトヨタ「86」&スバル「BRZ」を皮切りに、2014年に2代目にフルモデルチェンジしたダイハツ「コペン」、2015年に4代目にフルモデルチェンジしたマツダ「ロードスター」など、気軽に楽しめるモデルも登場しました。

 さらに、2015年にはビートの後継モデルとしてホンダ「S660」がデビューし、2016年に復活のホンダ「NSX」(2代目)、2017年に復活のホンダ「シビック タイプR」(10代目)、そして2019年に復活のトヨタ「スープラ」(5代目)と、少しずつですが日本から消えていたスポーツカーが復活してきました。

トヨタが17年ぶりに復活させた「GR スープラ」

 また、三菱「ランサーエボリューション」は2015年に生産を終了してしまいましたが、スバル「WRX STI」は現在も販売中ですし、日産「GT-R/フェアレディZ」は10年選手のロングセラーで、今も健在です。

 さらに、各メーカーのサブブランドとなるスペシャルモデルも増えており、トヨタの「GR」、日産の「NISMO/AUTECH」、ホンダの「モデューロX」、スバルの「STIスポーツ」の販売も好調で、走りの良さが商売に繋がることをシッカリと証明しています。

 このように日本車は平成の時代を右往左往し、酸いも甘いも経験しましたが、今は次の時代に向けて正しい方向に来ているのは間違いありません。『昔に比べるとクルマがつまらない』という人もいますが、むしろ筆者(山本シンヤ)は面白い時代がやってきていると思っています。

 平成がスタートした30年前とは、クルマに対する要件や規制、法律も大きく変わっており、昔の価値観だけで判断するのはナンセンス。今までの常識を疑うことも必要です。

 電話がスマホになり、SNSを通じてリアルタイムで世界と繋がる時代なんて、平成が始まったばかりの頃には誰も想像すらできていなかったことが、今はそれが当たり前の時代なのですから。

【了】

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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