なぜトヨタ「センチュリー」が御料車に? 長きにわたる皇室の移動遍歴とは

なぜ、トヨタ「センチュリー」は選ばれた?

 この「センチュリーロイヤル」のベースは(当時の)市販型センチュリーですが、全長は885mm伸ばして6155mmへとストレッチリムジン化。3列シート仕様になっています。

 また、外から天皇をはじめ皇族の姿が見えやすいよう、天井を高くして窓を大きくしているのが特徴。あくまで御料車専用のモデルで、一般への販売は行われませんでした。

 しかし、「センチュリーロイヤル」が使われるのは特別な式典のみに限られ、一般的な移動には通常の「センチュリー(一般にも市販しているタイプ)」が御料車として使われるのが通例です。

 御料車としての「センチュリー」は、車体に車名のロゴやエンブレムが取り付けられていないほか、数か所に皇室の家紋としている「菊華御紋章」がついています。

 宮内庁は公式ウェブサイトを通じて、「御料車は、皇室専用の皇ナンバーのものと品川ナンバーのものがあります。国会開会式など公的なお出ましには皇ナンバー、その他のお出ましには品川ナンバーをお使いになることが通例です」と説明しています。

 皇ナンバーとは、フロントグリルの隅に取り付けられる直径10cmほどの小さなバッジ状の識別プレート。その際は通常のナンバープレートの位置には菊の紋章が飾られます。ちなみに、一般の車両と同様に車検も受けてなければいけません。

40年もの長きに渡って使用された御料車「プリンス・ロイヤル」(撮影:加藤博人)

 皇位継承式典のひとつとして2019年(令和元年)の10月におこなわれる「祝賀音列の儀」で使われる「センチュリー」は、2018年に登場した現行型「センチュリー」をベースにオープンカーへ改造される車両を予定しています。(上皇陛下の祝賀パレードではロールスロイス製のオープンカーが使われた)。

 選定にあたっては、トヨタだけでなく日産、ホンダ、ロールスロイス、メルセデス・ベンツ、そしてBMWに車両を打診した結果、安全性や環境性能、後部座席に乗る新天皇皇后両陛下の姿が沿道から見えやすいこと、などの条件を考慮した結果、「センチュリー」が選ばれました。

 ハイブリッド車で、威厳のある外観デザインという部分が大きかったと思われます。しかし、この車両は宮内庁ではなく内閣府の所有として皇族専用車にはならず、東京オリンピックなどの行事でも活用する予定とのことです。
 
【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとマツダ CX-5。

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コメント

4件のコメント

  1. センチュリーなら、トヨタの豊田あきお社長が所有する世界に2台しかない白のセンチュリー。
    今年の箱根駅伝で伴走にも使われて(ご好意)注目されてました。威厳もあるけどとても「」スタイリッシュ イタリアのピニンファリナ越えたかな?

  2. 「祝賀音列の儀」ねぇ。センチュリーがゴッドファーザーのテーマ曲を鳴らしながら爆走でもするのかしらん。最初のページはちゃんと「祝賀御列の儀」と書いてあるのにね。

  3. 「祝賀音列の儀」ねぇ。センチュリーが暴走族ばりにゴッドファーザー愛のテーマ曲を鳴らしながら爆走でもするんでしょうかねぇ。最初のページにはちゃんと「祝賀御列の儀」と書いてあるのに、残念!ちゃんと校正しましょうね。

  4. デザインなど一貫して初代を踏襲し、細部が他のトヨタ車やLEXUSとは明らかに異なるセンチュリーに対し、唯一のライバルだった日産プレジデントは三代目JG50でそれまでの直線基調から曲線的になり、四代目PGF50はシーマのバッジエンジニアリングでお茶を濁す始末。
    ゴーン無き今となっても本当のプレジデント復活は無理でしょうな