ワクワクした秘密兵器の数々 映画「007」のひと味違うボンドカー5選
クルマが活躍する映画のひとつに「007」シリーズがあります。登場するクルマは「ボンドカー」と呼ばれ、秘密兵器を搭載し、スパイ活動を演出する重要なアイテムのひとつです。これまでのボンドカーのなかでも特徴的なクルマを紹介します。
007シリーズに欠かせない名車「ボンドカー」
カーアクションで有名な映画というと「007」シリーズではないでしょうか。シリーズ各作品には、魅力的な美女とともに、やはり劣らぬ魅力を放つクルマたちが登場します。
劇中で登場するクルマのなかでも、主人公であるジェームズ・ボンドが駆るクルマは「ボンドカー」と呼ばれ、大変な人気を誇ります。そこで、007シリーズ全24作品の中から、ひと味違う劇中車5台をピックアップして紹介します。
●トヨタ「2000GT」(『007は二度死ぬ』1967年)
トヨタ「2000GT」は、1967年から1970年まで生産されたあまりにも有名なスポーツカーです。映画の公開が1967年ですから、いちはやく新型車が作品に登場したということです。
映画での登場により2000GTは世界的に知られるようになり、007シリーズで唯一、ボンドカーとして登場した日本車でもあります。
劇中の2000GTは、トヨタがオープン仕様へと特別に改造した車両で、これは、当時ジェームズ・ボンド役を務めたショーン・コネリーの身長が高すぎ、クーペボディのままでは2000GTに収まらなかったからだといわれています。
また、オープンボディとすることで、車内でのやりとりをカメラが克明に捉えることができるようになっているので、オープン化の理由は「身長だけ」ではなかったのかもしれません。
劇中の設定では、このトヨタ2000GTは日本の諜報組織が所有していることになっています。つまり、通常のボンドカーのように、ジェームズ・ボンドが所属する組織である「MI6」が、ボンド専用にしつらえたものではありません。さらにこのトヨタ2000GTを運転したのは若林映子だけであり、「ボンドが運転しなかったボンドカー」という珍しい一台です。
●フォード「マスタング・マッハ1」(『007 ダイヤモンドは永遠に』1971年)
劇中に登場したフォード「マスタング・マッハ1」は1971年モデルで、ボディカラーはレッドでした。ボンドカーに「アメリカ車」というのは意外かもしれませんが、これはその舞台の一部がアメリカだったためです。
このマスタング・マッハ1は、ボンド所属組織が製作したものではなく、潜入捜査を行っていたダイヤ密売組織の連絡員、ティファニー・ケイス所有という設定でした。
そのためにボンドカー特有の特殊装備は存在しない普通のクルマで、劇中でもマシンガンやミサイルを駆使することはなく、パトカーとのカーチェイスを繰り広げるにとどまっています。
ただしカーチェイスではドリフトやスピンターンなど華麗なドライビングテクニックが見られ、マスタング・マッハ1がスイスイと一般車をよけたりカーブをきれいに曲がるのに対し、それを追うパトカーはフラフラしたりカーブを曲がりきれない様子が描写され、マスタング・マッハ1の基本性能の高さがアピールされました。
カーチェイスの山場は駐車場内での逃亡劇で、かなり迫力あるカースタントが描かれています。
マスタング・マッハ1といえば映画「バニシング in 60」が有名ですが、「007 ダイヤモンドは永遠に」もチェックしてみてはいかがでしょう。
●メルセデス・ベンツ「250SE」(『007 オクトパシー』1983年)
3代目ジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムーアが『007 オクトパシー』で運転したのがメルセデス・ベンツ「250SE」です。現代のSクラスに相当する上位モデルで、劇中でも敵対するオルロフ将軍が乗っていることでもその車格がわかります。
ジェームズ・ボンドが敵地から逃走するのに「250SE」が使用されますが、バリケードによってタイヤが4輪ともバーストしてしまい、ホイールのみとなった状態でも走行しつづけ、そのまま列車のレールに乗って走り続けるという映画ならではのスタントシーンが見どころです。
ジェームズ・ボンドがメルセデス・ベンツを運転するのも非常に珍しく、本作をおいてほかにありません。
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