歩行者にも問題あり? 横断歩道がないところで相次ぐ「乱横断」の実態とは

歩行者による信号無視や横断歩道のない場所での飛び出し行為は、大きな事故を招く可能性があります。なぜ、横断歩道のない場所での「乱横断」が多発しているのでしょうか。

「クルマが来ないから大丈夫!」は安全ではありません!

 円滑な交通社会を図るには、それぞれの当事者が交通ルールを厳守することが重要です。従来、「歩行者第一」という認識の元、事故や違反の多くではクルマを運転する人に対する「道路交通法違反」が主な取締対象となっていました。

 しかし、最近では歩行者の信号無視や横断歩道のない場所を渡るなどの交通違反が原因となる事故やトラブルが増加しているのです。なぜ、『乱横断』が多発しているのでしょうか。

大きな道路には、「横断禁止」の標識が立っていることも

 2018年11月には、福岡県北九州市の交差点で、70代の男性が信号無視をして横断歩道付近の道路を渡った際に、信号に従い走行していたバイクと接触する事故を起こしました。

 その結果、バイクの運転手は転倒、約1カ月の怪我を負い、横断していた男性も骨折する怪我をしました。事故を担当した警察署は、歩行者の男性にも過失があると判断し、重過失傷害容疑で立件。対して、バイクの運転手には自動車運転処罰法違反容疑で書類送検を行います。

 このような、横断歩道ではない場所を無理に横断する行為(乱横断)が多発しているというのです。2019年2月、警察庁交通局は「2018年の交通事故における特徴」を発表しました。

 そのなかで、歩行中死者のうち約6割が法令違反という結果で、クルマに乗っている際の死者数を上回る結果に。また、歩行者死者数の約7割が65歳以上の高齢者となり、その半数以上が法令違反(飛び出しなど)だったのです。

 横断歩道のない場所での乱横断について、都内を管轄する警察署の交通課は次のように説明しています。

「歩行者が横断歩道以外や交通量の多い道路を無理に渡る行為は、道路交通法第13条(横断の方法)や第13条の2(横断の禁止の場所)に該当すると思われます。今回のニュースの詳しい詳細はわかりませんが、無理に横断する行為は、たとえ近道だったとしても危険な行為ですので、必ず横断歩道を渡ってほしいです」

「あ、危ない!」乱横断による危険性を画像で見る

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