なぜトヨタ車ばかり狙われる? 信頼性の高さが裏目に出た人気の盗難車とは

昔から盗まれやすいクルマとして、トヨタ「ランドクルーザー」や「ハイエース」「プリウス」が名を連ねていました。2018年の調査では、「レクサス」が初のワースト1位となります。なぜ、トヨタ系ブランドばかり狙われるのでしょうか。

車両盗難されやすいクルマの上位はなぜトヨタなのか?

 度々、話題となる『盗難されやすいクルマランキング』。最近では、『リレーアタック』という新しい手口もニュースなどで取り上げられています。

 日本損害保険協会は、車名別盗難状況についてレクサスが2018年から2.6倍の66件に増加し、ワースト1位(2018年ワースト4)となったことを発表しました。盗難されやすいクルマにはどのような特徴があり、盗まれないためにはどのような対策が必要なのでしょうか。

車名別盗難ランキングでワースト1位となったレクサス

 車名別盗難における上位車種の特徴としては、トヨタブランド(レクサス含む)ということが挙げられます。過去には、トヨタ「ランドクルーザー」や「ハイエース」といったクルマがランキングの常連として名を連ねていました。

 また、2000年前半には、トヨタ「RAV4」も盗難されやすいクルマに挙げられ、ユーザーの要望も多かったこともあり、2006年8月の一部改良では、盗難防止を配慮した機能としてIDコードが登録された鍵(キー)以外では、エンジンが始動しないシステムを標準装備した経緯もあります。

 今回のランキングを発表した日本損害保険協会は、「2017年調査まで4年連続ワースト1だったプリウスは、2018年調査ではワースト2と依然として盗難数が多く、車両本体盗難の被害が特定の車種に集中する傾向が続いています」とコメントしています。

 なぜ、トヨタ車が狙われやすいのでしょうか。国内外で中古車の取引を行っているバイヤーに話を聞くと次のように説明してくれました。

「トヨタ車が狙われやすいのは今に始まったことではありません。元々、トヨタブランドは世界の自動車メーカーのなかでも耐久性や信頼性が高く、新車・中古車にかかわらず人気があります。

 とくに、ランドクルーザーは世界中のあらゆる環境下においても走行可能な高い性能をもっているので、中東や南米などでも人気が高いです。また、プリウスも同様にハイブリッド車のパイオニア的存在ということもあり、中国などのアジア圏で人気です。

 盗難車の多くは、正規ルートではない方法で海外に運ばれます。国内で盗難車を売る場合は、出所が判明される可能性が高いため、部品ごとに解体して輸出先の国で元に戻すなどの作業が行われるといいます。

 一概にはいえませんが、『中古車市場で人気のクルマ=狙われやすい』ともいえるかもしれません。また、レクサスが人気となった背景には、信頼性が高いトヨタの高級ブランドということで、世界的に人気が高まっていることが大きいと思います」

※ ※ ※

 日本損害保険協会の発表では、大阪府と愛知県が車両盗難件数のワースト1位、2位となっています。なお、盗難発生時間帯は、『深夜から朝(22時から9時)』が全体の75.8%を占めているとのことです。

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