夢のクルマが現実に!? コンセプトカーから市販化されたモデル5選

2019年は東京モーターショー開催の年です。毎回、数々のコンセプトカーや、市販直前のクルマが発表され、それを見るために足を運んだ方も多いでしょう。そこで、過去の東京モーターショーに展示されたコンセプトカーから、市販に至ったクルマ5車種を紹介します。

過去45回の東京モーターショーから数々の名車が誕生

「第46回 東京モーターショー 」が2019年10月24日から11月4日までの12日間、東京ビッグサイトにて開催されます。

近年、コンセプトカーから市販化されたケースは意外と少ない

 東京モーターショーの前身「全日本自動車ショウ」は1954年に初開催されましたが、当時のクルマは庶民にとって夢のまた夢の存在で、展示車両も267台中、乗用車は17台だけで、多くはトラックやオートバイなどでした。

 1970年の「第17回 東京モーターショー」からは海外メーカーも本格的に参加するようになり、国産車は高速時代に備えたスポーティなモデルや、安全・低公害を追求した電気自動車が参考出品されるなど「夢のクルマたち」が一堂に介するイベントへと発展しました。

 そんな東京モーターショーに出展された夢のクルマだったコンセプトカーから、実際に市販化されたモデルもありますので、5車種をピックアップして紹介します。

●トヨタ「プリウス」⇒「プリウス」

ボディ形状はだいぶ市販車に近かった「プリウス」プロトタイプ

 世界初の量産ハイブリッド自動車として1997年にデビューしたトヨタの初代「プリウス」は、1995年「第31回東京モーターショー」にプロトタイプが展示されました。

 プロトタイプの搭載されたパワートレーンはガソリンエンジンにモーターを組み合わせ、コンピューターで協調制御する世界初のもので、エネルギー回生システムや停車時のエンジン停止機構などにより、同じクラスのクルマの倍となる省燃費性能を目標としていました。

 実際に市販された初代「プリウス」のパワートレーンは「THS(Toyota Hybrid System)」と名付けられた、58馬力の1.5リッター直列4気筒エンジンに41馬力を発揮するモーターを組み合わせたもので、10・15モード燃費は28km/Lと、当時としては驚異的な超低燃費を実現。

 ボディは5ナンバーサイズの4ドアセダンで、プロトタイプと比べると外観は普通のクルマになっていました。

 単に省エネ性能だけでなくエンジンとモーターが組み合わされた独特の乗り味が話題となりました。

●マツダ「RX-EVOLV」⇒「RX-8」

観音開きのドアにボディ形状が「RX-8」に反映された「RX-EVOLV」

 最後のロータリーエンジン搭載車であるマツダ「RX-8」も、1999年の「第33回東京モーターショー」にマツダブランドのイメージリーダーカーとして「RX-EVOLV(エボルブ)」の名前で出展されました。

 1995年の「第31回 東京モーターショー」に出展されたスポーツカー「RX-01」に搭載されていた新開発の「MSP(マルチサイドポート)」ロータリーエンジン「RENESIS(レネシス)」の採用。

「RX-7」とほぼ同じサイズで大人4人がドライブを楽しめる居住空間を確保しつつ、スポーツカーとしての運動性能を同時に実現。目標最高出力280馬力の自然吸気エンジンをフロントに搭載するFR車でした。

 2001年の「第35回 東京モーターショー」には、より市販形に近い「RX-8 Concept(コンセプト)」を出展し、2003年に販売を開始。

 ショーモデルと同様に前後ドアが観音開きになる「フリースタイルドア」を採用した4名乗車とし、ボディラインは「RX-EVOLV」に近い独特なものに。

 最もスポーティな「TYPE-S」グレードでは、最高出力250馬力を発揮するレッドゾーン9000rpmの超高回転型エンジンを搭載して、走る喜びと実用性を両立したクルマになっていました。

●日産「GT-R Concept」⇒「GT-R」

かなり市販の「GT-R」に近い完成度だった「GT-R PROTO」

 日産「GT-R」は、3.8リッターV6ツインターボを搭載し、フロントエンジンながらクラッチ・トランスミッション・トランスファーを車両後方に配置する「プレミアムミッドシップパッケージ」や「アテーサE-TS」を改良した4WDシステムによる高い運動性能を誇る和製スーパーカーです。

「GT-R」は2001年の「第35回 東京モーターショー」で「GT-R Concept(コンセプト)」として出展。2003年の「第37回 東京モーターショー」のプレス向け会見で、当時のCEOであるカルロス・ゴーン氏が2007年秋の発表、発売を明らかにしました。

 2005年の「第39回 東京モーターショー」では、ほぼ市販車に近い外観の「GT-R PROTO(プロト)」を公開し、2007年の「第40回 東京モーターショー」で市販型を発表しました。

 デビュー時の最高出力480馬力は驚異的でしたが、ドイツのサーキット、ニュルブルクリンクを拠点に開発された「GT-R」はエンジンだけが高性能ではありません。

 パワートレーンや重量配分の煮詰めにより、天候や路面状況などの諸条件に左右されることが少なく、ドライバーのスキルに関係なくスーパーカーの醍醐味を味わうことができるクルマになっています。

 その後「GT-R」は幾度かのマイナーチェンジを行ない、エンジンの高出力化も進んでいて、2017年のモデルからは最高出力570馬力までアップしました。

モーターショーのコンセプトカーから市販化されたクルマを画像でチェック(22枚)

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