先代「ジムニー」が新車で売っている!? 海外で生き残った日本車5選
クルマに限った話しではありませんが、新製品が出ると従来の製品は消える運命にあります。しかし、なかには旧型が生きながらえることもあります。そこで、日本国内で販売が終了した後も、海外で生き残ったクルマ5車種をピックアップして紹介します。
海外で生きながらえたクルマを5車種紹介
フルモデルチェンジを行なうということは、従来型は生産を終えることになります。ただ、まれに新型と従来型が併売されることもありますが、わずかな期間です。
また、フルモデルチェンジを行なうことなく、一代限りで販売が終了してしまうクルマもあり、この場合の多くは販売不振が理由です。
いつかは消えてしまう運命にあるのは仕方ないことですが、なかには別の国で継続して販売されるケースもあります。
そこで、日本国内で販売が終了した後も、海外で生き残ったクルマ5車種をピックアップして紹介します。
●日産「バッキー」
日産「サニートラック」は『サニトラ』の愛称で親しまれているピックアップトラックです。
1971年に「B110型 サニー」をベースとした2代目「サニートラック」が発売。ここから1994年の販売終了まで、一度もフルモデルチェンジすることはありませんでした。
しかし「サニートラック」歴史はまだ終わりませんでした。南アフリカで「BAKKIE(バッキー)」という車名で継続して製造・販売されていたのです。
「バッキー」は名機と名高いA型エンジンも継続して搭載され、「サニートラック」と大きく異なるのはキャビンがハイルーフとなっていたことくらいです。
また、トランスミッションは国内で採用されなかった5MTで、これを流用して搭載したいという『サニトラ』愛好家が多かったといいます。
最終的に「バッキー」は2008年まで販売され、後継の「NP200」にバトンタッチされました。
「サニートラック」はじつに37年間もフルモデルチェンジされなかったことになります。
●マルチスズキ「オムニ」
スズキの軽ワンボックスバンといえば「エブリイ」ですが、初代の誕生が1982年ですから、37年もの歴史あるクルマとなっています。
現在、国内で販売している「エブリイ」は5代目ですが、インドでは初代「エブリイ」がまだ生産されており、スズキの子会社マルチスズキが販売している「OMNI(オムニ)」という名のワンボックスカーです。
外観ではフロントフェイスが「エブリイ」から変更され、バンパーも大型化されています。それ以外のボディはほぼ初代「エブリイ」のまま変わっていません。
「オムニ」は800ccの3気筒ガソリンエンジンを搭載し、5人乗りと8人乗りをラインナップしています。ユニークなのは8人乗りで、リアシート二組がまるでリムジンのように対面に設置されています。
インドでの「オムニ」の価格は日本円で約46万円からと、かなりリーズナブルです。
●プロドゥア「アルザ」
トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」はいまも好調なセールスを持続していますが、初代は2003年に発売され、スライドドアを持つコンパクトな3列シート車としてヒットしました。
この初代は2010年に生産を終え、同じく3列シートの「パッソセッテ」(ダイハツ版が「ブーンルミナス」)が後継車になります。
しかし「パッソセッテ」のリアドアは横開きのスイングドアとなったためか、販売は振るわず、1年と経たずに「シエンタ」がマイナーチェンジというカタチで再販されるという異例の事態に。
その後「パッソセッテ」は約3年という短い期間で生産終了を余儀なくされます。
ところが「パッソセッテ」はマレーシアでいまも、プロドゥアというダイハツとの合弁会社が生産し、販売されています。
フロントフェイスは変更され、エンジンは1.5リッターのまま。室内は3列シートも同じですが「パッソセッテ」には設定されていなかった5MTもラインアップ。
マレーシアでの価格は日本円で約160万円からとなります。