第二の「SUVブーム」になる? トヨタ「ハイラックス」の人気が急激に高まっている理由

今年の東京オートサロン、そして大阪オートメッセでジムニーと並んでショーを盛り上げていたのが、ピックアップトラックです。実は今、このピックアップトラックがSUVやクロカン四駆に続いて、第3のムーブメントとなりそうなのです。

ピックアップトラック再来なるか? 

 早春の自動車イベントである「東京オートサロン」と「大阪オートメッセ」。今年も多種多様なカスタムカーが出展されていました。

 市場の動向を反映してか、多くのブースでSUVやジムニーが百花繚乱状態に。でも、それに負けないくらいに数が多かったのが、ピックアップトラックです。

多様化するニーズにも対応しているトヨタ「ハイラックス」

 実際、パーツメーカーだけでなくタイヤメーカー各社もトヨタ「ハイラックス」や「タコマ」などのモデルを壇上に飾り、来場者の関心を集めていました。

 日本ではかつて80年代に、ピックアップトラックがムーブメントとなった時期があります。荷台にサーフボードを積んで、街や海辺の道路を流すというのが、当時の若者の憧れだったのです。

 しかし、日本は雨が多いほかに防犯上の意識という点から、オープンデッキのピックアップトラックはアメリカほど一般化しません。また、車検期間の短さもユーザーに二の足を踏ませる要因となっています。

 ピックアップトラックといえば、やはりアメリカが本場。ご当地を訪れると、どこもピックアップトラックがいっぱいです。アメリカでピックアップトラックが人気なのは、日本の軽自動車と似た点があります。

 車検制度がないアメリカでは、自動車保険が非常に高額。しかし、車両後部に屋根とシートがないピックアップは、保険料が割安になるのです。

 アメリカでは、普遍的なカテゴリであるピックアップトラックですが、日本では日産「ダットサントラック」が2002年に、トヨタ「ハイラックス」は2004年に販売不振を理由に国内デリバリーを終了。

 逆輸入車のトヨタ「タコマ」や並行輸入車のフォード「Fシリーズ」などが、マニアの間でわずかながら所有される程度という、ピックアップトラック氷河期が続いていたのです。

 ところが2017年9月、トヨタは国内市場にタイ生産の「ハイラックス」を投入すると、状況は徐々に変わっていきます。『作業で使う顧客に、新車をデリバリーするため』という主旨でトヨタは日本復活を決めましたが、そういったユーザーのみならず、レジャーユース派の間でも火が点きました。

 東京オートサロンで「ハイラックスGTGカーゴ」を出展した群馬トヨタ自動車の担当者は、「これまでの市場を考えれば、それなりに売れればいいと思っていましたが、発売開始からどんどん受注が増えています。正直ここまで売れるとは…」とハイラックスの意外な売れ行きに驚きを隠せないと話します。

さまざまな仕様で展開される「ピックアップトラック」を画像で見る(13枚)

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