欧州で日本車が激売れも? トランプ大統領も驚愕! 輸入車の「関税ゼロ」はなぜ実現されたのか
8年後には、EU諸国における日本車への関税がゼロに!
2019年2月1日、日本とEU諸国の間で「EPA(Economic Partnership Agreemen=経済連携協定)」が発効されました。これにより、工業製品や農林水産品のほとんどの関税が即時撤廃され、自動車部品も9割以上が即時撤廃し、関税がゼロとなります。
現在、10%の関税が課せられている日本製の乗用車に関しても8年後には完全撤廃。車両価格300万円の乗用車に掛かっていた関税10%分の30万円がゼロになるというわけです。
この状況を日本の自動車メーカーはどのように思っているのでしょうか。日本自動車工業会では、「日本-EU経済連携協定(EPA)」の大枠合意の際、西川廣人会長(当時)が以下のようにコメントしています。
「日-EU経済連携協定交渉が大枠合意に至ったことを歓迎します。2013年4月に交渉が正式に始まって以降、4年にわたり厳しい交渉が続けられてきました。
グローバルに事業を展開している日本の自動車産業にとって、自由貿易の拡大は極めて重要な課題であり、世界貿易の3割超を占める日本とEUによる経済連携がもたらす意義は非常に大きいといえます」
※ ※ ※
2017年の1年間、EU諸国全体で約1504万台の新車が販売されました。このうち日本車全メーカー合計の新車販売シェアは約13%となり、そのうち「トヨタ4.2%(レクサス0.3%)」、「日産3.6%」と続きます。
品質の良さや部品供給の速さ、ハードの信頼性などが人気の理由となり、なかでも欧州で人気のある3台は、トヨタ「ヤリス」、日産「キャシュカイ」、トヨタ「C-HR」です。
トヨタ「ヤリス」は、日本では「ヴィッツ」という名称で販売されていますが、日本以外はすべて「ヤリス(YARIS)」という車名で販売されており、WRC世界ラリー選手権にもエントリーしています。
欧州では、常に販売ランキングの上位に位置しており、フォルクスワーゲン「ゴルフ」や「ポロ」などがライバルです。
日産「キャシュカイ」は、日本で2014年まで販売されていた日産デュアリスに相当します。欧州はもちろん、中国でも大変な人気となっています。欧州で人気の理由はコンパクトな都会派SUVというキャラクターで、オフロード性能よりも、車高低めのスタイリッシュなデザインのため人気です。
トヨタ「C-HR」は、2017年4月から欧州で販売されました。発売からおよそ1ヶ月で受注台数が8万台を超えるなど大人気となっています。
売れ筋は、ハイブリッドモデルとなり販売台数の8割を占めるとのこと。トヨタのSUVといえば、アメリカでは「RAV4」が爆発的ヒットとなっていますが、欧州ではコンパクトなサイズが好まれているようです。
世界各国で、問題となっている「関税」。アメリカ合衆国大統領のトランプ氏による発言でも度々ニュースに取り上げられています。
そんななか、自動車大国日本が諸外国から輸入されるクルマに対しての「関税」をゼロにしていたことは意外と知らない人もいたのではないでしょうか。
【了】