なぜ残る? 昔はよく見た「レース生地カバー」 需要減でも存続する理由とは

クルマのシートをカバーする商品として、過去にはレース生地のカバーが流行った時代がありました。しかし、最近では見かける機会が減少しています。それでも、純正オプションに設定されている理由はなんなのでしょうか。

見かけないけど、純正オプションに根強く設定される理由とは

 昭和の頃には、よく見かけたクルマのアイテムとして、シート上部に付ける「レース生地カバー」があります。当時、走っていたセダンタイプのクルマのほとんどに、装着されていたといっても過言ではありません。

 いつの頃からか「レース生地カバー」を見かける機会が減りました。しかし、現在市販されているセダンタイプのモデルには、まだしっかりと純正オプションの設定があります。なぜいまだに多くのクルマに設定されているのでしょうか。

最近、見かけることの少ない「レース生地カバー」

「レース生地カバー」は、汚れ防止やお洒落を目的としたドレスアップのパーツとして販売されています。一般的に流通しているのは、ハーフシートカバーと呼ばれヘッドレストから背中の半分までをカバーするものです。

 現在も純正オプションとして設定しているのは、トヨタ「クラウン」、日産「スカイライン」、ホンダ「インサイト」などといった各社のセダンモデルには、ほとんど存在しています。

 いまだに「レース生地カバー」が設定される理由について、トヨタ販売店のスタッフは次のように説明します。

「レース生地のシートカバーは、一昔前までセダンモデルの定番ともいえる商品でした。しかし、最近では見た目のデザイン性で“年よりっぽい”と避ける方や、防水・防汚加工などシート自体の性能が向上したため、装着率は減少しています。

 しかし、現在でもセダンの多くにオプションとしてご用意しています。ご年配の方には、いまだに一定数好評なほか、社用車などで購入される場合などにも選ばれているようです」

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 また、最近ではセダンの新型車が多く登場しており、一部ユーザーからは「セダンブーム?」ともいわれています。

 勢いが徐々に出始めたセダンモデルにおいて、マツダのフラッグシップセダン「アテンザ」には、「レース生地カバー」のオプション設定はありません。なぜ、一定数の要望がある「レース生地カバー」がないのでしょうか。

「マツダのオプション品は、その車両開発デザイナーなども加わり、クルマのコンセプトや世界観に合っているかという点で商品化を決めている部分があります。

 また、過去の販売実績や開発に力を入れているシート性能の向上、マツダの提案する「理想的なドライビングポジションの考え」などを総合的に考えて「レース生地カバー」は設定していません」(マツダ関係者)

こんなに種類があった!? さまざま「レース生地カバー」を画像で見る

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