なぜ残る? 昔はよく見た「レース生地カバー」 需要減でも存続する理由とは
タクシー業界では「レース生地カバー」の装着率は高い
世間的には、需要が減少している「レース生地カバー」ですが、普及率が高い業界もあります。それは、タクシー業界です。
タクシー車両の代名詞といえるトヨタ「コンフォート」は、昔から走っていることもあり名残も含めて「レース生地カバー」の装着率が高いのは予想できます。
しかし、2017年に次世代タクシーとして登場したトヨタ「JPN TAXI」にも、「レース生地カバー」は装着されているのです。
現代のトレンドやシート自体の性能を考えれば、減少してもおかしくないですが、なぜタクシー業界では普及率は高いままなのでしょうか。
「いろいろな理由がありますが、まずはタクシーに対するイメージの問題があります。昔から『レース生地カバー』が装着されている物を、急に廃止すると『なぜ、無くなった?』というような意見が出てきます。良くも悪くも、今まであったものを変えるのには慎重に判断しなければなりません。
また、『白』というものには清潔感のイメージがあります。さまざまお客様が利用されるタクシーは汚れ防止の機能面もふまえて、清潔でなくてはならないため、白のレース生地カバーを使用しています」(大手タクシー会社)
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世の中に出回っている商品には、需要が減っても完全に売れなくなることはありません。なかには、「レース生地カバー」のように、一部ユーザーや業界から熱望されているものも存在します。
また、「流行り」とはある程度のサイクルを持っており、今回の「レース生地カバー」を“ダサかっこいい”“オヤジ臭いアイテム”といった形で、あえて装着する若いユーザーも出てきているようです。
流行り廃れは、数十年経つと再び人気が再燃することがあります。もしかすると「レース生地カバー」の再ブームが来るかもしれません。
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