ホンダ「PCX」を女性目線で検証 ガソリン車/ハイブリッド/EVの使い勝手はどう違う?!

ハイブリッドモデルのプレミアム感が与えてくれるトキメキ

 最後に紹介するのはハイブリッド仕様のPCX HYBRID。ガソリンエンジンに加え、セルモーターと発電機を一体化させたACGスターターに駆動アシスト機能を追加したモデルです。PCXシリーズ全体に共通するスマートなフォルムに、高級感のあるパールダークナイトブルーのハイブリッド車専用カラーがスペシャル感あってグッド。車格はガソリンエンジンモデルよりも少しふっくらしてる程度で、扱いやすいサイズ感です。

ホンダ四輪ハイブリッド車と共通デザインのエンブレムが印象的な「PCX」ハイブリッドモデル

 ハイブリッドモデルの特徴がよく出ているのが、シート下のラゲッジスペースで、フルフェイスヘルメットが1つ収納できるスペースがあり、その後方にリチウムイオンバッテリーを搭載しているのです。そのため、容量はスタンダードのガソリン車より5リットル少ない23リットルとなっています。ヘルメットホルダーを使えば、シート下の収納スペースは確保できるので使い勝手はそこそこいい感じです。

 デザインや装備はほぼスタンダードモデルのPCXと共通なのですが、ヘッドライトとテールライトにブルーをあしらって、消灯時にブルーの色が見えるようデザインされています。それに、アシストシステムの作動状況を視覚的にお知らせしてくるデジタルメーター、そしてホンダの四輪ハイブリッド車と共通デザインの「HYBRID」エンブレム! この特別感がいいのです。乗り味だけじゃなく、日常の生活の中でもワクワク感を与えてくれそうです。

まったく性格の異なる3モデル、その魅力の違いとは?

 スタンダードモデル、ハイブリッドとエレクトリックの3モデルを比べてみまたが、それぞれに魅力が違ってとてもおもしろかったです。ルックスは同じイケメンだけど、それぞれ魅力が違う3人から1人を選ぶ……という、恋愛シュミレーションゲームのような乙女チックな展開です(笑)。スタンダードなガソリン車のPCXは誠実で生活力のあるタイプ。車体は税込34万2360円と一番低価格。走れば楽しいし、燃費もよくて、税金も安い。保険も125ccなら自動車保険のファミリーバイク特約の対象になります。日常生活には現実感が大切です。一番、大衆の生活に寄り添ったモデルだと思います。

「PCX」3モデルと筆者(守田二草)

 ハイブリッドモデルは、プライベートも楽しく過ごしたい趣人タイプ。普段は生活の足として活躍してくれるし、お休みの日はショートツーリングも楽しめちゃいます。車体価格は税込43万2000円でちょっぴり高価ですが、維持費の安い原付二種ですし、選択肢としては全然アリ寄りのアリです。それにモーターによるアシストによって二酸化炭素の排出量が軽減されるし、環境問題にも貢献できるのがポイントです。

 そしてエレクトリックは、若いけれど勢いがあって将来が期待できるタイプでしょう。現在抱える問題はたくさんあります。例えば、EVはクリーンなイメージがありますが、日本では石油をはじめ石炭、液化天然ガス(LNG)などによる火力発電に大きく依存しているし、バッテリーの電力ロスを考えると決してエコではありません。

 EVに限っては、消耗部品であるバッテリーの供給がなくなれば、車体自体が大きなゴミとなってしまう可能性も否定できません。それに、現状では公衆型充電スポットなど充電インフラや、国や自治体による補助金制度なども整っているとは言えないでしょう。だけど、限りある資源であるガソリンの依存を軽減することは、今後の環境問題を考えれば絶対に必要だと思うのです。1人娘のお母さんとしては、未来に希望があることを信じたい。ホンダの新たな試みを感じたエレクトリックモデル。その将来性を信じて応援したいと思います。

【了】

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