いざという時の切り札となるか? クルマに備わる「イベントデータレコーダー」の実態とは

通常のドライブレコーダーとは異なりメーカーが製造時に組み込む「イベントデータレコーダー」という車載の記録装置があります。どんなもので、いつ使われるのでしょうか。

EDRは、メーカーが製造時に組み込む記録装置

 世間一般にも認識されている「ドライブレコーダー」は、ユーザーが購入して取り付けし、カメラで映像を記録するものが多いです。似たような役割を果たすものとして、「イベントデータレコーダー(以下:EDR)」ものも存在しています。

 EDRとは、自動車メーカーが製造時に車体に組み込むもので、一般のドライバーが存在を意識することはありません。簡単にいえば、車両状況の記録装置となり飛行機のフライトレコーダーの簡易版というイメージです。

事故原因の究明には長い時間がかかることもある

 EDRには、ドライブレコーダーのように一定時間分を記録して、メモリーがいっぱいになったら古い部分から上書きしていくものや、大きな衝撃が加わった際のデータを記録するものなどがあります。海外では、自動車メーカーや損害保険会社に送信するものなどさまざまな種類が存在。

 アメリカの国家道路交通安全局では、EDRの規格統一を推奨してEDR装着の義務付けを推進。現段階では、自動車メーカーの自己判断で装着していて、日本の自動車メーカーもEDRの装着が増えています。

 EDRには、衝突時の映像まで含まれるものもありますが、基本的な記録内容はエアバッグが開くような衝突事故の際に、速度やエンジン回転数、ブレーキが使われたのかアクセルをどのくらい踏んでいたか、衝撃の大きさ、ハンドル操作、シートベルト着用していたかなどを記録。

 日本では、平成20年に国土交通省自動車交通局が「J-EDRの技術要件」を発表していますが、海外の動向を踏まえながら要件の見直しを行なっているところです。

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