現代のCBに往年の記憶が蘇る レーシングドライバーがライダーになった日

久しぶりに乗るオートバイ。CBというホンダ伝統の名を受け継いだマシンは、乗り手を身構えさせてしまう。ライディングを始めると爽快感が湧き上がります。

CB400FOUR(通称:ヨンフォア)から現代のCBへ

 さすがに本格的なバイクを転がすには30年ブランクのある素人ライダーにホンダ「CB125R」は身構えてしまうものですね。

 冠はホンダの王道である「CB」であるわけです。僕ら「ヨンフォア世代」にはビリビリと痺れるネーミング。しかも末尾には「R」の文字が踊ります。そもそもスタイルが鼻息荒く前のめりです。バイクに対峙して、ちょっと戸惑ったのも事実です。

CB125Rと筆者(木下隆之)

 というのも、「CB125R」は、とてもピンクナンバーの125cc(原付二種)には見えないのです。本格的な走りを備えたバイクが発散する攻撃的な雰囲気が僕を威圧しました。

 話を聞けばエンジンは、水冷4ストローク単気筒OHC 2バルブです。最高出力は13PS/10000rpm、最大トルクは10Nm/8000rpmと高回転気味ですが、スペックを大幅に超えるほど大きな印象だったのです。身構えたのも納得してくださいね。

 実際に、ライディング感覚は本格的でした。足つきは、けして優しくはありませんし、それなりに大きな鉄の馬に跨っている感覚があります。レーサーほどではありませんが、ガソリンタンクを抱えた前傾姿勢を強いられます。両腕で体重を支えるような姿勢なのです。

正しいライディングフォームを意識せずにはいられない

 ステップも、車体に密着しています。腿の内側の筋肉に力を入れて、バイクを包むように強くニーグリップをしなければなりません。足先を内股にするようにして変速することになります。そうです、正しいライディングフォームで乗るようにバイクが語りかけてくるのです。

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