一人勝ちなぜ続く? 高額でもトヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」が爆売れする理由

高級ミニバンで一人勝ちのトヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」は、高額にもかかわらず両車あわせて毎月8000台以上がコンスタントに売れています。なぜそんなに売れるのか? その理由に迫ります。

成功したライバルの後追いとして誕生した「アルファード」「ヴェルファイア」

 世の中、あまり景気のよい話は聞こえてきませんが、それでもコンスタントに売れている高級車があります。それがトヨタの高級ミニバンの兄弟モデルであるトヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」です。価格は、一番安いグレードが337万円、一番高いグレードは750万円ですが、高級ミニバンとしての販売ランキングはずっとトップをキープし続け、兄弟車であわせると常に毎月8000台以上売れています。今回は、「アルファード」「ヴェルファイア」の歴史を振り返りながら、そのヒットの理由を探ってみます。

トヨタ「アルファード」「ヴェルファイア」

 現在、高級ミニバンの代表格といえばトヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」の兄弟が筆頭であることは、誰もが認めるところ。しかし、高級ミニバンというジャンルを最初に開拓したのは、トヨタではなく日産でした。それが1997年にデビューした初代「エルグランド」です。

「エルグランド」の謳い文句は「ファーストクラスの室内空間」。つまり、飛行機のファーストクラスのような快適さがあるとアピールしたのです。さらにエンジンには大排気量の3.3リッターV6エンジンを基本とし、車種は乗用専用としました。それ以前のLサイズのミニバンにあった商用車の派生というイメージを打ち消し、“高級感”を前面に打ち出したのです。その戦略は大成功し、「エルグランド」はヒット。“キング・オブ・ミニバン”とまで呼ばれるようになります。

 それをトヨタが黙って見ているはずはありません。2002年に、やはり乗用専用となる「アルファード」を新型の“最上級ミニバン”として発売して、ライバルを追撃します。そして2008年に第2世代目へのフルモデルチェンジの際に「ヴェルファイア」を追加、2015年に第3世代を世に送り出します。一方、ライバルである「エルグランド」は、2002年に第2世代、2010年に第3世代をデビューさせましたが、その戦いの歴史の中で、徐々に「アルファード」と「ヴェルファイア」に圧倒されていきます。

 現在の「エルグランド」の販売は、相当に厳しいもので、日本自動車販売協会連合会(自販連)の月ごとの乗用車ブランド通称名別順位を見ると、2018年の50位以内へのランクインは、3月と9月のわずかに2回。しかも、どちらも48位というギリギリでのランクインです。一方、「アルファード」と「ヴェルファイア」はランキングの常連で、2018年1~6月では「アルファード」が19位、「ヴェルファイア」が24位。ちなみに他のライバルであるホンダ「オデッセイ」は38位、三菱「デリカD:5」は43位。これらに対しても「アルファード」「ヴェルファイア」は、大きな差をつけています。現在のところ、「アルファード」「ヴェルファイア」は、国内のLサイズ高級ミニバンの王者といえる存在になっています。

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