海外も注目! 日本独自のクルマ文化「痛車」 SNS普及で低年齢化も進む「乗りたいから免許も取得」
最近ではモータースポーツの世界でも「痛車」を見かけることが増えました。実は近年、痛車人気の低年齢化が進んでおり「若者のクルマ離れ」とはまったく反対の傾向が強くなりつつあります。海外からの人気も上昇中で、痛車の聖地として定着した「秋葉原UDXビル駐車場」には、多くの外国人観光客が見学に訪れています。痛車の最新事情をレポートします。
痛車の定義とは?「痛い車」とは何を意味している?
最近ではモータースポーツの世界でも「痛車」を見かけることが増えました。中高年以上のクルマ好きからは敬遠されがち? な痛車ですが、実は近年、痛車人気の低年齢化が進んでおり「若者のクルマ離れ」とはまったく反対の傾向が強くなりつつあります。海外からの人気も上昇中で、痛車の聖地として定着した「秋葉原UDXビル駐車場」には、多くの外国人観光客が見学に訪れています。痛車の最新事情をレポートします。
痛車の「痛」、物理的な痛みを意味するものではありません。「40歳超えて金髪ミニスカートはスタイル良くてもかなりイタいよね」のように使います。クルマの場合の「イタい」は、「高額で大きな耐久消費財である自動車に、美少女アニメのキャラクターを全面ラッピングする」違和感、ありえない感を自虐的に「イタい車」としたのが「痛車」の始まりです。
今や国際的な痛車の聖地となった秋葉原UDX駐車場の阿部所長に、どんなクルマが「痛車」と呼ばれるのかを尋ねると、「痛車の定義は難しいのですが、二次元のキャラクターや実在するアイドルなどの写真やイラストでラッピングした状態のクルマをいいます。また、レプリカ的な意味合いもあり、たとえばアニメの中に登場するクルマ(頭文字Dの藤原とうふ店仕様の86など)と同じデザインにしてしまうことも痛車の一種です」と話します。
旧来のクルマ好きはどう思っている?
筆者(加藤久美子)の周囲にいる200名のクルマ好き(30-60代男女)に「痛車」について聞いてみた結果、「痛車」好きも意外に多かったです。
――痛車についてどう思いますか?
まあまあ好き&好きが3割、嫌いが4割、見たことないのでわからない3割というざっくりした結果を得ました。
「絶対受け入れられない。絵が嫌い」(60代男性)
「自分の車が痛車になることは永遠にないと思うが、見ていて綺麗だし、このような文化があってもいいと思う」(40代男性)
「昨今のアニメブームも関連しているのでしょう。最近のアニメは見ないからわからない」(50代男性)
「娘がラブライブの大ファンなので、なんとなく私も痛車好きに」(40代女性)
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なお、痛車の「痛い」とは、本来は「イタい」なのですが、そうすると略した時に「イタ車」となり、イタリア車との区別が難しくなるため、あえて漢字表記で「痛車」としているようです。