車いすに優しいはずが不評の嵐に トヨタ「JPN TAXI」とタクシー会社の改善策とは

誰でも使えるユニバーサルデザインタクシーとして登場したトヨタの「ジャパンタクシー」。しかし、車いす利用者から不満や改善を求める声が多く、更に使いやすい仕様への改良が進められていると噂されています。実際に問題点や改善方法はどのようなものがあるのでしょうか。

『誰もが利用しやすい存在』のユニバーサルデザインタクシーのはずが…

 公共交通機関のひとつであるタクシーは、“誰もが利用しやすい存在”です。高齢者や車いす使用者、ベビーカー利用者など、さまざまな人にやさしい次世代タクシーとして、国土交通省は『ユニバーサルデザインタクシー認定制度』を創設しました。

車いすに座ったまま乗車できる「ジャパンタクシー」

 2017年10月にトヨタが発売した「JPN TAXI(以下:ジャパンタクシー)」は、UDタクシーの認定要件に適合したモデルですが、導入開始から約1年経過したなかで、ジャパンタクシーを利用しようとした車いす使用者に対する『乗車拒否問題』などを発端に、車両改善を求める署名をトヨタに提出するまでになっています。

 現在、車いすを「ジャパンタクシー」に乗せるには、座席の折り畳み、専用スロープ設置、車いす固定、搭乗者シートベルト着用などの手順を行うほか、乗降時に広いスペースが必要です。

 また、スロープ自体も複雑な構造のため、設置・撤収にはある程度の時間や慣れが必要となり、知識や不慣れな乗務員による『乗車拒否』が発生。このような問題点について、トヨタは次のように説明しています。

「以前から車いす利用に関する改善の要望を多く頂いています。一応、現在でも装備や構造上では、車いすの利用に配慮し、乗降できるようにはなっています。

 しかし、実際に『乗車拒否問題』が起きているのも事実ですので、トヨタとしても装備や構造の改善方法を検討しております。現時点での、改良車に関する発売予定は未定ですが、利用者からの要望を考慮した安全なモデルをご提供できればと考えております」(トヨタ)

 トヨタ「ジャパンタクシー」の公式サイトでは、利用者に対する『車いすご利用の方の留意事項』やタクシー乗務員に対しての『車いす乗降方法』などを公開しています。

トヨタ「ジャパンタクシー」の配慮された装備を画像でチェック

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