新型「マツダ3」から始まる「魂動デザイン・フェーズ2」 目指したのはアート!?
なぜ新しいデザインは、動きを2つから1つにした?
「マツダは日本生まれのブランドです。その独自性を確立するためには、深く掘り下げる必要があります。日本の持つ美意識って何だと思いますか。たとえば匠の造り込み。ほとんどのものが一見シンプル。でも、ものすごく手間がかかっています。そうしたものが日本の美意識にあるんですね。ただし、それはミニマリズムではありません。無味無臭ではなく、味わいを濃くする。それを面の美しさで表現しています」と土田氏はいいます。

日本の美意識に沿ったものに「魂動デザイン」を進化させた結果が、一見シンプルでありながらも、微妙な面で構成される新型「マツダ3」のデザインとなったというわけです。
「マツダ車に乗ることで、心が満たされる。充足されるものを目指しています。また、私どもの執行役員の前田も言っているように、私たちは“Car as Art”でありたいと考えています。クルマがアートでありたいんですね。クルマというのは街の空気を変えます。そこで環境を壊したくないんです。逆に、マツダ車があることで全体をよくしたい。大衆車でありながら、マツダ3ほどデザインに力を入れたクルマはないと思います」と最後に力強く語った土田氏。
街の景観は建物だけでなく、そこを歩く人や走るクルマもその一部。格好の悪いクルマがたくさん走っていれば、その街の印象も悪くなることでしょう。そういう意味で、大衆車であるマツダがデザインに力を入れるというスタンスは素晴らしいことですね。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。










