バブルの申し子はライバルも強烈 4代目の日産「フェアレディZ」はイメージを一新
多くの強力なライバルが登場した1990年代
日産内のライバル以外にも、1990年4月にはマツダが「V型12気筒エンジン並の滑らかさを持つ」とも言われた世界初の3ローターエンジンにシーケンシャルツインターボを装着した「20B-REW型」エンジンを搭載する高級クーペ「ユーノス・コスモ」を発売。
さらに8月に実施されたトヨタ「スープラ」(A70系)がマイナーチェンジで、280PSを誇る新開発の2.5リッター 直列6気筒DOHCツインターボエンジン「1JZ-GTE型」を搭載。直列6気筒のスムーズさや中速域からのスロットルレスポンスの良さと、2.5リッターの排気量による維持費の安さと相まって、「フェアレディZ」の強力なライバルになります。
また、同年9月にはホンダ「NSX」が発売され、「日本で唯一の本格的スポーツカー」と世界中から高い評価を受けます。10月には280PSを発揮する3リッター V型6気筒DOHCツインターボエンジン「6G72型」を搭載し、電子制御の4WDシステムを備えた三菱「GTO」(Z16A型)が発売されるなど、各社が280PSのスポーティカーを登場させました。
「フェアレディZ」もテコ入れとして、1992年にオープンモデルの「フェアレディZ コンバーチブル」が追加され、16インチBBS製鍛造アルミホイール、レカロ製シート、ビスカスLSDを装備した「フェアレディZ バージョンSレカロ」が設定されます。1998年のマイナーチェンジでは外装のデザインも手が入れられ、フロントとリアの印象が変えられました。
こうして「スカイラインGT-R」とは別の路線で人気となっていた4代目「フェアレディZ」は、1989年の7月から2000年12月までの長期間に渡り販売され続けました。この前年の1999年、日産はルノーの傘下に入るほど経営が悪化し「フェアレディZ」の系譜は一旦途絶えることになります。
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