ガソリンは給油だけで大気汚染? 環境に優しくムダも減らせる最新給油機とは
環境省と資源エネルギー庁が、ベーパー回収装置を設置した給油所を「大気環境配慮型SS」に認定
いいことずくめのベーパー回収装置ですが、ガソリンスタンドで導入するには高いコストがかかります。給油計量機にコンプレッサー(圧縮)装置と、能力の高い冷却装置が必要になるため、従来の給油計量機に比べて高額になります。この点で、すべてのガソリンスタンドが計量機を最新型に交換するには課題が残ります。
そこで、環境省と資源エネルギー庁が、ベーパーを回収する機能有りと確認された給油計量機を設置しているガソリンスタンドを「大気環境配慮型SS」(愛称:e→AS”イーアス”)として認定し、認定証とロゴマークの交付や、環境省と資源エネルギー庁のホームページで公表することを決めました。
環境意識の高いドライバーに利用を促す策を実施すると2018年の3月に発表し、7月から認定申請の受付を開始。ベーパーを回収する機能を有する給油計量機を設置しているガソリンスタンドであれば、「e→AS」のホームページに掲載されている認定申請の手続き・申請様式の記入例等を参照して申請するだけとなっています。
さらに、ベーパー回収給油計量機の導入を促進する制度として、資源エネルギー庁の関連補助事業の補助金もあります。この制度の効果はどうなっているのでしょうか。 環境省 水・大気環境局 総務課環境管理技術室にお話を聞きました。
──制度の浸透具合はいかがでしょうか。
今年の9月27日に発表した時点で、全国で59件のSS(サービスステーション)に対して1回目の認定をしています。年内に2回目の認定発表を予定していて、現在も申請の受付を行なっているところです。
──今後の普及に関してはどのように考えていますか。
石油連盟が、2000年度の実績から2024年度にはベーパーを3割減にする自主目標を掲げていますので、これからも普及していくと思われます。また、SSの天井から吊るすタイプの給油計量機でもベーパーを回収するタイプが出てきますので、都内などの敷地が狭いスタンドにも普及は進むと思います。
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普及が進めば、環境保護への貢献と、火災事故の減少、燃料の損失減に加えて、「ガソリンスタンドは臭い」というネガティブなイメージも減っていくでしょう。EVの普及率はたしかに上がってきていますが、揮発油を燃料とするクルマが当分は主体ですから、環境保護の観点からも「e→AS認定給油所」を積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
【了】