スタッドレスを履いていても走れない雪道規制がある? 豪雪地帯は全輪にチェーン推奨も
スタッドレスタイヤでもチェーンは必要?
この「冬用タイヤ規制」や「全車両チェーン装着規制」ですが、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤでもチェーンを装着する必要があるのでしょうか。NEXCO中日本にうかがいました。
──「冬用タイヤ規制」では、スタッドレスタイヤでの走行は可能ですか。
「冬用タイヤ規制」では、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤなど)またはタイヤチェーンなどの滑り止め装置を装着していないクルマの通行を規制するものです。「冬用タイヤ規制」を行っている場合は、たとえ四輪駆動車でも冬用タイヤまたはタイヤチェーンを装着していないクルマは走行できません。
道路交通法 第71条6号に基づく「運転者の遵守事項」として、各都道府県で定めた交通規則又は施行細則に「積雪(又は凍結)した道路においてすべり止め措置を講ずる義務」が定められており、この義務履行を運転者に求める行為であり、当社と警察で協議し実施します。(道路交通法ですので、権限は当社にはありません)道路情報板では「チェーン装着」「冬用タイヤ必要」などの文言を用いて表示されます。
──「全車両チェーン装着規制」はどのような場合に起こりますか。また、スタッドレスタイヤでもチェーンの装着をしなくてはならないのでしょうか。
降雪量が特に多い場合や路面の状態が悪化した場合は、緊急措置として「全車両チェーン装着規制」が行なわれることがあります。この場合、冬用タイヤを履いていたとしても、タイヤチェーンを装着しなければ走行できません。
さらに、降雪や視界不良などで、チェーンを装着していても走行に支障があると判断される場合は「通行止め」となります。
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前述のように、積雪や凍結時の措置は都道府県によって異なります。
降雪の多い地域では、全車輪へチェーンを装着するように推奨している場合が多く、比較的積雪の少ない地域では、駆動輪にのみ装着としている場合が多いです。富山県道路交通法施行細則 第17条第3では「ただし、タイヤチェーンについては、前車輪又は後車輪に取りつければ足りる」とはっきりと明記されています。
とはいうものの、国交省がチェーンを駆動輪だけ装着した場合の危険度合いを知らせる動画を公開したり、NEXCO中日本は全車輪に装着をすすめているなど、豪雪地帯にお住まいの方と、そこに行く予定がある方は、チェーンを2セット用意しておいたほうがいいのではないでしょうか。
また、住んでいる地域によっては、雪が降らないためチェーンは必要ないと考える方もいるかもしれませんが、もし高速道路に入る際に晴れていたとしても、降りる先や途中の道で積雪に見舞われる可能性も十分に考えられます。
NEXCO各社では、大雪時に山間部へ向かう手前のインターチェンジやサービスエリアなどで、安全のため、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤ、またはチェーンの装着状況をチェックする場合もあります。すでに冬用タイヤに交換をしていたとしても、「全車チェーン規制」の可能性も考え、チェーンも備えておいてはいかがでしょうか。
【了】