すべてが新しくなった3代目「フェアレディZ」 次世代に続くコンセプトはここから始まった
日産のV6戦略の先駆け的存在
走りについては、当時の日産車に多く採用されていた、室内から減衰力をハード/ノーマル/ソフトの3段階に切り替えができるショックアブソーバーを搭載。市街地では乗り心地よく、その気になった時は「しっかりグリップさせる」のような使い方も可能となっていました。
1985年10月には、同年8月にデビューした7代目「スカイライン」(R31型)用に開発された、210馬力を絞り出す2リッターDOHC直列6気筒24バルブターボエンジン「RB20DET型」を搭載した「フェアレディ 200ZR」を発売。自動車税の安さやV型エンジンとは違った直列6気筒ならではのスムーズな回転と、高回転時の甲高い音で人気を博します。
さらに1986年のマイナーチェンジでは、外観も大きく手が加えられ、よりスタイリッシュに。3リッターエンジン搭載車は北米仕様と同じワイドフェンダーを備えた3ナンバー専用ボディとなりました。
同時に3リッターDOHC・V型6気筒エンジンで最高出力190馬力を発揮する「VG30DE型」を搭載し、サスペンションを強化したモデル「300ZR」も登場しました。
その後、1989年まで生産され、時期モデルにバトンタッチすることで生産を終了しました。
3代目「フェアレディZ」はパワーの追求や空力を重視するなど、時代の変化に対応する形で誕生したモデルです。特にエンジンは日産のV6戦略の先駆け的存在となり、現在へと続く布石にもなっています。「フェアレディZ」というクルマのコンセプトはこの3代目で固まったともいえます。
【了】
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