“7年ぶり復活”の三菱「“新型”パジェロ」どんなクルマ? 20年越し大進化した「新たなフラッグシップクロカン」の実力は? 800万円クラスの「最上級スーパーエクシード」を全開で試す!

国内で7年ぶりの復活となった三菱の本格クロスカントリーSUV「パジェロ」。その走りの実力はどうでしょうか。カーライフジャーナリストの渡辺陽一郎さんがレポートします。

新型「パジェロ」の実力を試す!

 三菱自動車工業(以下、三菱)は2026年9月2日、新型クロスカントリーSUV「パジェロ」を世界初公開し、10月29日に日本国内仕様を正式に発表しました。
 
 国内では7年ぶりの復活となった新型パジェロは、三菱のフラッグシップモデルとしてブランドをけん引する役割を持ちます。

 果たしてどのような走りをするのでしょうか。カーライフジャーナリストの渡辺陽一郎さんがレポートします。

三菱新型「パジェロ」の実力を徹底チェック!
三菱新型「パジェロ」の実力を徹底チェック!

 パジェロは初代モデルが1982年に発売されました。パジェロ以前の従来の4WD(四輪駆動車)といえば、悪路で使われる“作業車”でしたが、初代パジェロは外観がシンプルでカッコ良く、内装も上質でした。

 結果としてパジェロはヒット商品となり、以降はトヨタ「ランドクルーザー」などのライバル車も乗用車感覚を強めました。

 その後、三菱「アウトランダー」などの“シティ派SUV”が増え、悪路向けSUVのパジェロは生産を一度終えました。

 しかし最近は“シティ派SUV”がさらに急増し、ランドクルーザーやスズキ「ジムニー」のような悪路向けのSUVが再び注目を集めるようになり、そこでパジェロも復活することとなりました。

 新型パジェロについて、三菱の販売店は以下のように述べています。

「販売店では(2026年の)9月中旬から、来店されたお客様に新型パジェロの価格を明らかにしています。10月1日になると、『GSR』と『スーパーエクシード』の予約受注も開始しました。

 納車は12月17日に始まり、販売店には試乗車も用意されます。10月中旬にGSRとスーパーエクシードを契約した場合、納期は4〜5か月です。『GLS』と『エクシード』の受注は、12月17日に開始するため、現時点で納期は未定です」

 新型パジェロは、全車が2.4リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボを搭載して、駆動方式はセンターデフを使うフルタイム4WDです。三菱独自の四輪制御機能「S-AWC」も装着しました。

 アクセルペダルを踏みながらカーブを曲がる時でも、必要に応じて電子制御でブレーキが作動して、走行安定性を向上させます。サンド(砂地)やマッド(泥道)など、走行状態に応じて4WDやブレーキの制御を切り替えるドライブモードも採用しています。

 グレード構成は、「GLS」(619万3000円/消費税込、以下同)、「GSR」(676万5000円)、「エクシード」(693万円)、「スーパーエクシード」(795万800円)です。GLSとGSRはアウトドア指向が強く、エクシード系は都会的な位置付けです。

サーキットでも安定している三菱新型「パジェロ」
サーキットでも安定している三菱新型「パジェロ」

 そこで、最上級グレードとなるスーパーエクシードのプロトタイプをサーキットコースで試乗しました。

 2.4リッタークリーンディーゼルターボは、実用回転域の駆動力が高いです。アクセルペダルを軽く踏むだけで、十分な加速性能が得られます。エンジン回転数を高めずに、力強く加速する運転感覚はディーゼルならではです。

 最高出力は204馬力/3500回転)、最大トルクは480Nm(48.9kg-m)/1750〜2500回転ですから、最大トルクの数値は4.5リッターのガソリンエンジンに相当します。

 しかもディーゼルでは吹き上がりが活発で、Dレンジでフル加速すると、最高出力の発生回転を上まわる4000回転でシフトアップしました。ATが8速なので、ギヤ比の割り方も細かく、フル加速時のエンジン回転数を3200〜4000回転に保ちます。逆に高速道路の巡航では、エンジン回転数を低く抑えて燃料消費量を節約できます。

 エンジン音は静かです。車外ではディーゼル特有の粗いノイズが少し聞こえますが、車内はガソリンエンジン車の静粛性に近いです。

 ステアリングホイールの操作感は、悪路向けのSUVでは正確です。操舵に対する車両の動きが鈍く感じることはありません。

 カーブに入った時の挙動は、アウトランダーのようなシティ派SUVに比べると、ボディの重さを意識させ、少し曲がりにくく感じます。

 その理由はサスペンションの設定です。新型になってもパジェロは悪路性能を重視するSUVですから、前輪は独立式のダブルウイッシュボーンですが、後輪は車軸式の5リンクです。

 この悪路向けのサスペンション形式を考えれば、新型パジェロはサーキットにおける走行安定性が優れているといえます。

 例えばカーブを曲がっている最中に、危険回避を想定してステアリングホイールを内側へ切り込みながらアクセルペダルを戻す操作をしても、ボディの傾き方は拡大しますが後輪の接地性は維持されます。挙動が乱れにくいです。

 なおこの走行安定性は、ドライブモードを「4H」にして、四輪駆動でセンターデフを作動させている時に発揮されます。センターデフをロックする「4HLc」にして同じ操作をすると、挙動の乱れ方が拡大しました。

 つまり4Hでは、センターデフの作動と併せてブレーキを含めたS-AWCの4輪制御技術が的確に作動して、優れた走行安定性を実現させるのです。舗装路はなるべく4Hで走りましょう。

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