「クラウン」より小さくても“土台”は共有! トヨタ「プログレ」は全長4.5mでも贅沢すぎる! “直6×FR”に本物の木を使った豪華内装まで! 1代限りで消えた「小さな高級車」とは
トヨタが1998年に送り出した「プログレ」は、“小さな高級車”をコンセプトに誕生したセダンです。本木目パネルや新しい安全装備を備えながらも、1代限りで姿を消しました。どのようなクルマだったのでしょうか。
トヨタ「“ちいさな”高級車」が凄い!
トヨタが1998年5月に発売した「プログレ」は、“小さな高級車”を開発テーマに掲げた4ドアセダンです。5ナンバー枠に収まるサイズのボディと直列6気筒エンジンを組み合わせ、発売当初の駆動方式はFR(後輪駆動)のみでした。
さらに、世界初となる安全装備など、当時の新しい技術も盛り込まれていました。ただし、商業的には成功を収めたとは言い難く、2007年6月に1代限りで生産を終えています。

車名のプログレは、フランス語で「進歩」を意味します。
発売時のボディサイズは全長4500mm×全幅1700mm×全高1435mm、ホイールベースは2780mmです。全長は「クラウン」より300mmほど短く、2代目「アリスト」や10代目クラウンなどとプラットフォームを共有していました。
発売時のパワートレインは、3リッター直列6気筒自然吸気(NA)エンジンの「2JZ-GE」(最高出力215PS・最大トルク約294Nm)を積む「NC300」と、2.5リッター直6 NAの「1JZ-GE」(最高出力200PS・最大トルク約250Nm)を積む「NC250」の2種類です。
発売当初のトランスミッションは4速ATで、サスペンションは4輪ともダブルウィッシュボーン式でした。
インテリアには、ウォールナットの本木目パネルや革シート、高級オーディオを用意。安全装備では、世界初採用の「SRSカーテンシールドエアバッグ」が設定されていました。
ナビゲーションの情報を変速制御に生かす「NAVI・AI-SHIFT」も設定され、トヨタはこれも世界初の技術としています。レーダークルーズコントロールもオプションで選べました。
発売時の価格は、当時の消費税5%を含めると、NC250が325万5000円、NC300が367万5000円です。
その後、1999年5月には、コイルスプリングやショックアブソーバー、パワーステアリングなどに専用のチューニングを施した「iRバージョン」が登場。同年12月には、2.5リッター車に電子制御フルタイム4WD「i-Four」を採用した「NC250 FOUR」が加わり、トヨタはプログレが“小さな高級車”として好評を博していると説明しました。
2001年4月のマイナーチェンジでは、両エンジンともシリンダー内にガソリンを直接噴射する「D-4」に切り替わり、3リッター車は最高出力220PS・最大トルク294Nmとなりました。FR車のトランスミッションは5速ATに変更されています。
2001年6月には、プログレから派生した「ブレビス」が登場します。“アクティブ・エレガンス”をテーマに掲げたモデルで、全幅はプログレより20mm広い1720mmの3ナンバーサイズとなりました。
2002年11月には、DVDボイスナビゲーションやディスチャージヘッドランプなどを備えた特別仕様車「プライム セレクション」が、NC250とNC250 FOURに設定されています。
2005年12月の改良では、DVDボイスナビゲーション付きの電動ポップアップ式モニターなどを全車に標準装備し、NAVI・AI-SHIFTも4WD車を除いて標準化されました。
販売終了の理由としては、時代の先を行き過ぎたコンセプトや保守的とされたデザイン、5ナンバー枠のサイズとしては割高に感じられた価格、セダン市場の縮小などが、複合的に影響したと考えられています。
プログレの後継的なポジションを担ったとされるのが、2009年12月に発売されたハイブリッド専用セダン「SAI(サイ)」です。SAIのチーフエンジニアは、プログレの開発にも携わった人物でした。
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プログレは、5ナンバー枠のボディに直6エンジンや本木目パネルを組み合わせ、SRSカーテンシールドエアバッグを世界で初めて採用したセダンでした。
約9年の間に4WD車や派生モデルのブレビスも登場し、“小さな高級車”という言葉は、のちにトヨタがSAIを紹介する際にも使われています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。













































