大分~愛媛に「すごい海峡道路」誕生へ!?「九州と四国がつながる」豊予海峡をむすぶ壮大な構想とは 時間短縮はなんと「100分」どこまで進んだのか
道路でつながっていない九州と四国をつなぐ新たなルートの構想があります。一体どのような道路で、どう便利になるのでしょうか。
初めてつながる九州~四国 その効果は
九州と四国をつなぐ新たなルートが、実現に向けて検討されています。一体どういった道路で、どんな検討が行われているのでしょうか。

現在、九州と本州側を陸路で移動しようとすると、福岡県北九州市と山口県下関市のあいだの「関門海峡」を渡るルートしかありません。具体的には高速道路の関門自動車道「関門橋」もしくは国道2号の有料トンネル「関門トンネル」で両エリアをまたぐことになります。
両市のあいだには、新たに橋を架ける「下関北九州道路」の整備計画が動き出していますが、それでも広い九州にとっては、最北端である北九州市まで出なければ、九州を脱出できないことになります。
ましてや、九州~四国のあいだには、橋やトンネルはありません。
現在、海峡をまたぐ自動車移動ルートは、大分県の佐賀関港と愛媛県佐田岬半島の三崎港をつなぐ「国道九四フェリー」で船舶移動するか、別府港もしくは臼杵港から八幡浜港へつなぐ「宇和島運輸フェリー」「九四オレンジフェリー」に限られています。
そこで、新たな道路構想として検討が進められているのが「豊後伊予連絡道路」です。
豊後伊予連絡道路は、先述の国道九四フェリーに相当する、佐賀関~佐田岬をつなぐものです。
地図を見ると、九州と四国は「豊予海峡」のうち、この部分が最も互いに近くなっており、まるで互いに指を伸ばしているかのような地理的状況です。互いの距離は、単純な先端部間を見た場合でも14km弱で、あいだに浮かぶ「高島」を陸上拠点とすれば、最大でも海上の離隔は9kmしかありません。
もしここがつながれば、24時間365日、任意のタイミングで大分~愛媛を走行移動できるようになり、そのアクセス性が革命的に向上することになります。
九州にとって四国が物流の対象地域、さらに重要な途中拠点となるだけではなく、瀬戸大橋や明石海峡大橋を通じて、近畿地方やその先までをつなぐ新たな重要幹線ルートが誕生します。
もし何らかの原因で関門海峡が寸断し、あるいは山陽道や中国道で大規模な通行止めが発生した場合でも、九州~近畿方面をつなぐ代替ルートが確保されることとなり、国内の緊急輸送体制の二重化によるバックアップ化が図られることにも期待がかかります。
では、実際に豊後伊予連絡道路はいつ着工を迎えることになるのでしょうか。
最近のもっとも大きな動きといえば、2022年に大分県が発表した基礎検討の調査報告書が発表されたことです。
この調査報告書では、大分から松山方面の所要時間の短縮効果が約100分と、すさまじい数字が出されています。近畿方面へも、関門海峡経由と比べて決してひけを取らない新ルートとなりそうです。
また物流が活性化することで生まれる経済効果は年間160億円、災害時の通行止めなどによる損失も、豊後伊予連絡道路が代替ルートとなることで200億円以上カバーできるとされています。
報告書でこの新道路は「橋梁を架けた場合」「海底トンネルとした場合」でそれぞれ検討。橋梁であれば全長14.9kmですが、先述のとおり浅い部分をつなげば、海上区間は一定の長さに抑えられそうです。トンネルであれば取付部を含めて全長20.7kmとなり、最も深いところで海面下217mとなると算定されています。
気になる具体化への動きですが、まだ地元の大分県や愛媛県による「豊予海峡ルート推進協議会」が要望活動を続けているレベルにとどまっており、国会でも要望を定期的に受けている旨の報告程度で、特段の議論は見えてきません。
2025年の愛媛県議会を見ても、知事が「四国への新幹線導入後の重要なプロジェクトと認識しており」と答弁するなど、まだまだ順番が回ってくるのが先になりそうな雰囲気です。
機運の高い大分県でも、鉄路で小倉方面から宮崎、鹿児島をつなぐ「東九州新幹線」の整備機運が高まっている状況。検討や誘致活動を行うにせよ、リソースを新幹線か豊予海峡のどちらに注力するのか、難しい舵取りが問われていきそうです。
































