京都〜新潟間の“主要ルート”国道8号に「新バイパス」着々整備中! 「米原の大渋滞」は大幅解消! 残りは「彦根まで延伸」&「フル4車線化」に期待
国土交通省 近畿地方整備局は、滋賀県で整備・事業を進めている国道8号の「米原バイパス」および「彦根東近江バイパス(I期)」を再評価したレポートを公開しました。
今後の「彦根東近江バイパス」にも期待
国土交通省 近畿地方整備局は2026年9月、国道8号について、暫定開通から1年が経った「米原バイパス」の整備効果や事業中の「彦根東近江バイパス(I期)」に期待される整備効果などについてまとめたレポートを公開しました。

国道8号は、新潟市中央区と京都市下京区を結ぶ延長約600kmの一般国道です。
かつての五街道のうちのひとつ「北陸道」を継承する一般道で、日本海に面する新潟県、富山県、石川県、福井県を経由し、滋賀県では日本最大の湖である「琵琶湖」東岸に沿って南下し、京都府に至ります。
北陸〜京都間の主要ルートとして、各所でバイパスが整備されているところです。
このうち「米原バイパス」は、滋賀県長浜市加田町から彦根市佐和山町に至る延長10.3kmの2車線(暫定)道路で、2025年9月に開通しました。
福井側の「長浜バイパス」「塩津バイパス」「敦賀バイパス」などと一体的に国道8号の交通を支えるバイパスとして整備されています。
米原バイパスは1999年(平成11年)に6工区、2004年(平成16年)に7工区、2012年(平成24年)に8工区が開通し、2025年(令和7年)に9工区が開通しました。
現在は長浜市と米原市の境を通る1.98kmの区間のみ4車線化されており、ほかの区間は4車線に拡幅する予定の「暫定」2車線道路として供用しています。
そして「彦根東近江バイパス(I期)」は2026年度(令和8年度)に新しく事業化されたばかりの延長約23kmの道路です。
延長4.39kmにおよぶトンネルを含む山側に迂回するルートを採用し、現在は彦根市から多賀町の延長約8.1kmが事業中で、まだ開通していません。
2つのバイパスは直通しており、彦根市佐和山町を境に、米原バイパスは西側、彦根東近江バイパスは東側を通り、現道と一体となって交通ネットワークの強化を図ります。
周辺地域で慢性化している交通混雑の緩和、安全性の向上、観光・レジャーの振興支援などの効果に期待されています。
今回のレポートによると、米原市など沿線地域の人口は減少傾向にあるようですが、世帯数や自動車保有台数は増加傾向にあり、国道8号の交通量は容量超過の状態にありました。
しかし、米原バイパスの開通後は現道から一部交通が転換され、現道の旅行速度は33km/hから37km/hに向上し、米原バイパスでは41km/hとなっており、特定区間の所要時間を計測すると平均所要時間は約16分から約13分に短縮。現道の混雑緩和に一定の成果が出ている事が分かります。
一方で、現在事業中の彦根東近江バイパス(I期)と平行する区間では、朝夕のピークタイムに渋滞が発生しており、最大約2kmの渋滞長を計測しています。
彦根東近江バイパス(I期)の整備によって、米原バイパスと同様に交通混雑の緩和、旅行速度の向上といった効果が見込まれています。
混雑解消によって国道8号における死傷事故率にも変化が出ており、米原バイパスと平行する区間の死傷事故件数は整備前が29件であったのに対し、整備後は13件と約6割も減少しています。
事業中の彦根東近江バイパス(I期)と平行する区間は、国道8号(滋賀県内)の交通事故死傷事故率の平均値が29.3であるのに対して、彦根東近江バイパスの区間では40.6~65.7と非常に高い状態が続いており、整備によって米原バイパスと平行する区間と同様に安全性の向上や交通事故の減少などに期待されています。
ちなみに、国道8号の沿線は、製造業を中心にした大規模な事業所が立地する地域でもあり、製造品出荷額や従業者数は年々増加し続けています。
米原バイパス、彦根東近江バイパス(I期)の整備による周辺道路の混雑緩和は、物流ネットワークの強化にもつながり、名神高速の「米原IC」「彦根IC」へのアクセス性向上が見込まれ、物流の効率化や地域産業の振興、地域の経済活性化も期待されています。
また、観光・レジャー面でも両バイパスには大きな期待が寄せられています。
国宝「彦根城」の築城400年を記念して誕生したご当地キャラクター「ひこにゃん」が有名な彦根市、「長浜城」や「黒壁ガラス館」などで知られる長浜市など、琵琶湖周辺の湖北・湖東地域は観光・レジャーの人気が高い地域です。
沿線周辺ではコロナ禍で観光入込客数が減少したものの、現在は以前のようなにぎわいを取り戻しており、再び増加傾向を辿っています。
両バイパスによって観光エリア間の周遊性が向上し、さらなる観光入込客数の増加や、観光産業および地域の活性化に効果をもたらすと期待されています。
米原バイパスは今後も全線4車線化を目指すとともに、I期工区が事業中の彦根東近江バイパスは調査中となっている、残る延長約16kmについて、用地取得や沿線市町との協議・協力を推進していくとしています。
Writer: 春山優花里
フリーランスの編集記者。WEB媒体を中心に15年以上メディア業界で働くなんでも屋。幼少期に叔父の書斎で見た膨大なミニカーコレクションに圧倒され、クルマやバイクに興味を持つ。漫画やアニメ、ゲームが好き。
























