首都高を走る「何か凄いアルファード」出現! めちゃ“物々しい”けど「見れたら超ラッキー!」 1000万円超えで「日本1台のみ」の激レアマシンの正体は?

首都高の関連会社である首都高技術は、「首都高点検・補修デモ2026」で、物々しい謎の「アルファード」を展示しました。一体どんな車両なのでしょうか。

なんだか凄い機械だらけ… その正体は?

 首都高の関連会社である首都高技術は、2026年10月16日に開催された、安心・安全を守る技術の紹介イベント「首都高点検・補修デモ2026」に出展しました。
 
 同社のブースには、非常に不思議な機器を多数装備する、謎のトヨタ「アルファード」が展示されました。
 
 かなり物々しい異様な見た目をしていますが、一体どんな車両で、どういう役割があるのでしょうか。

 謎のアルファードは、2023年に登場した最新の4代目モデルであることは一目瞭然ですが、前後バンパーやルーフ上に何やら目立つ設備が多数取り付けられています。

 リアバンパーにはさらに「CHECK-UP」という反射ステッカーが貼られ、ボディサイドには首都高技術のステッカーと「Wave Doctor」の記載もあります。

 実はその正体は、照明や電波状態を走行しながら測定する特殊車両「ウェーブドクター」です。

 首都高グループの技術子会社である首都高技術が保有・運用しており、同社の公式サイトでは「照度・電界強度測定」車両として紹介されています。

首都高技術の「ウェーブドクター」[2026年10月16日「首都高点検・補修デモ2026」会場にて/くるまのニュース編集部撮影]
首都高技術の「ウェーブドクター」[2026年10月16日「首都高点検・補修デモ2026」会場にて/くるまのニュース編集部撮影]

 一般車両と同じように走りながら、「照度測定」「電界強度測定」「トンネル内環境測定」を同時に行える画期的な車両で、新幹線でいう「ドクターイエロー」のような役割です。

 ウェーブドクターは、LED道路照明やETC2.0といった新設備の普及に伴い、効率的な維持管理を実現するために2016年12月に導入されました。

 導入前は測定のために車線規制を行うとともに、作業員が装置を使って測定していた背景があり、規制を行うことで時間や費用がかかっていたといいます。そこで、そうした課題を解説するために開発されました。

 まず目を惹くのが、まるで「ミニ四駆」のバンパーのように、前後バンパーに備わっている機械です。これは「照度計」で、前と後ろそれぞれ2個と6個装備され、首都高上の本線のポール照明や、料金所・トンネル照明の測定を行っています。

 この照度計は格納時は25センチの高さになっていますが、測定時は昇降装置によって、15センチに下降して測定します。

 担当者によると、照度測定の目的について、「例えば3号渋谷線では、周りの建物が明るすぎて落下物などが見えないという事象があり、そういったものがないかを確認するために測定します」と話します。

 続いて、ルーフの前部に9個も備わる物体は、「電界強度測定器」です。ETCが発信する電波を測定するもので、正しく料金を収受するには強すぎても弱すぎてもいけないということで、正しい出力になっているかを確認しています。

 また、このほかルーフにはラジオのAM・FM放送の電波測定器と、防災用無線の電波測定が装備されています。

 リアにあるのは「トンネル内環境測定器」です。具体的には路面温度を図るものとなります。

 首都高のうち、都心部をぐるりを結ぶ中央環状線の高松入口から大井JCTにかけて敷設されている長大トンネル「山手トンネル」は、夏季は40度以上の高温になり、冬でも温度が高く、車両のミラーが結露することもあるといいます。そういった危険な状況をなくすために、トンネル内の実態を調査するための機器だということです。

 ちなみにこのウェーブドクターは、現在稼働しているのは2代目にあたる車両で、2024年9月から運用が始まっており、稼働時間は基本的に夜間の19時から26時(2時)ごろまでとなっています。

 年間約100日をかけて首都高全線・全車線を測定します。日本国内に1台しか存在しない希少な車両で、過去の取材によると、グレードはハイブリッド「Z」が採用され、架装費用は約600万円(測定機器・測定システム費は含まず)に上るとのことで、車両本体と含めると、総額は1000万円以上にも及びます。

 ではなぜアルファードが採用されたのでしょうか。測定用の車両としては、高い積載力と広いスペースを持つ商用バンや、トラックなどでも十分かと思うはずで、高級ミニバンである必要性はないでしょう。

 実は、現行モデルのアルファードには測定に必要な条件が揃っているのです。

 車内にはAC電源(1500W)が標準装備されており、車内で多数の機器の動作状況をモニタリングすることができます。実際、車内を見ると、運転席・助手席シートバックに大型モニターが備わっており、測定データを表示していました。

 また1回の測定で長距離を走ることで、ドライバーの疲労も問題となりますが、高級ミニバンゆえの乗り心地のよさや疲れにくさも重要です。さらに乗り心地の良さによる振動の低さが測定に適している側面もあります。

 SNSなどでも「深夜に奇妙なアルファードを見かけた」などと投稿され、不思議がられるウェーブドクターですが、首都高の安心・安全を守るために縁の下の力持ちとして活躍している「はたらくクルマ」のひとつです。

 新幹線で「見かけたらラッキー」とされる測定車両のドクターイエローと同じような検測車として活躍していますが、ウェーブドクターも1台しかなく、まさに「首都高版ドクターイエロー」といえる希少な存在です。

 もし首都高を走行中に見かけたら、ドクターイエローのように幸運が訪れるのかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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