緊急停車時の重要アイテム「三角表示板」、設置しないとリスク高? なぜ標準装備ではないのか
三角表示板だけじゃない? もうひとつの停止表示器材
三角表示板を標準装備としないことについてホンダは、「高速道路において必要ではありますが、常備を義務付けられたものではないうえ、ライフスタイルとして高速道路を利用されない方もいらっしゃいます。そもそもクルマを乗り換えるたびに増えていっても仕方のないものであることから、オプションとして販売店で取り扱うようにしています」と話します。
4年という使用期限のある発炎筒と違い、三角表示板は半永久的に使えますが、クルマを乗り換える際には、もともとの三角表示板を新しいクルマに載せかえることを忘れないようにしたいものです。初めて、あるいは改めて買い求める人は、カー用品店でも1000円くらいで購入できることもあります。
もうひとつ、三角表示板の装備が義務でない理由として、「停止表示器材」として定められているものが三角表示板だけでないことも挙げられるかもしれません。
道路交通法施行規則では停止表示器材として、紫色の回転灯「停止表示灯」も規定されています。覆面パトカーなどが付けるパトランプの紫版だと思えばイメージしやすいかもしれません。これは、停車したクルマと三角表示板との距離が確保できない場合などに効果を発揮します。5000円前後でも市販されており、カー用品店などでも取り扱いがあります。
ちなみに、高速道路で停車する際には、ハザードランプを点灯させて路肩に寄り、発炎筒や停止表示器材で後続車に対する安全策を講じたあと、全員クルマを降りてガードレール外などで避難するようNEXCO3社は呼び掛けています。前出のとおり、車内に留まったままで後続車が衝突し、命を落とすケースが多発しているとのこと。また、ガードレール外で避難する際も、自車の後方にいるほうが、後続車が自車に衝突した勢いで負傷するリスクを回避できます。
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