緊急停車時の重要アイテム「三角表示板」、設置しないとリスク高? なぜ標準装備ではないのか
いわゆる「三角表示板」は、緊急時に停車した際、後続車に自車への注意を促すうえで重要な器材。高速道路での停車中は、これを設置しないと違反になるというものなのですが、この器材、メーカー標準装備になっていないことがあるのはなぜでしょうか。
停車中に後続車衝突の死亡事故、ほとんどが「三角表示板」不設置
何らかのトラブルにより高速道路でやむを得ず路肩に停車する際、後続車に存在を知らせるために使われるのが、いわゆる「三角表示板」をはじめとする停止表示器材です。
自車後方の見やすい位置、JAFでは自車から50m後方に設置することを推奨しています。高速道路での停車中は、これを設置しないと違反になるというものなのですが、この器材、メーカー標準装備になっていないことがあるのはなぜでしょうか。
こうしたトラブルにおける停車中の安全対策としては、三角表示板の設置とあわせて発煙筒を使用し、異状を周囲に知らせることも有効です。発煙筒と三角表示板がセットで搭載されているクルマも多いでしょう。
発炎筒は、保安基準でクルマに装備することが義務付けられており、新車でも標準的に搭載されていますが、三角表示板などの停止表示器材については、装備義務はありません。しかし、上のような高速道路での停車時に使用しないと、「故障車両表示義務違反」により1点減点(反則金6千円)という罰則が課されます。
とはいえ近年、高速道路上で停車する際に三角表示板を立てることを怠るドライバーが少なくないようです。
高速道路で停車中のクルマに留まっていた、あるいは下車して道路上に立っていた人に後続車が衝突したことによる死亡事故が、2012年には49件発生しましたが、そのなかで三角表示板を設置していたケースはたった1件しかなかったというデータも。政府インターネットテレビでは、この数値を紹介して注意を呼び掛けているほか、NEXCO各社もしばしば、緊急時の停車における安全対策の広報を行っています。
では、なぜ三角表示板は発炎筒とちがい、新車メーカーが標準装備としないのでしょうか。