トヨタ「“新”クラウン・セダン」発売! 全長5mの「正統派“FR”モデル」は「クラウンといえばセダン」のユーザーに強い支持! お手頃グレード新設の“改良モデル”購入ユーザーの特徴は?
トヨタ「クラウンセダン」が一部改良を受けて発売されました。販売店に最新情報を聞いてみました。
一部改良モデルの納期は5ヵ月程度 セダンユーザーからの人気は衰えず
2026年9月3日、トヨタは「クラウン セダン」の一部改良モデルを発表し、9月21日に発売しました。
その後のユーザーからの反響や納期について、トヨタディーラーに問い合わせてみました。
「王冠」を意味する車名「クラウン」に、一般公募で選ばれた「トヨペット」の名を組み合わせたクルマ。それが1955年1月に発売された「トヨペット クラウン」こと初代クラウンです。クラウンブランドは、この1台からスタートしました。
当時は海外メーカーと提携して車両を作る「ノックダウン生産」が主流でしたが、トヨペット クラウンはあえてこの方式を採らず、純国産で開発された点が大きな特徴です。
デザインやメカニズムも、当時の日本の道路事情や使われ方を踏まえてゼロから作り込まれており、乗り心地と耐久性のバランスに優れた純国産車として注目を集めました。
その評価の高さから、裕福な個人オーナーだけでなく、社用車や公用車、タクシーとしても幅広く採用されるようになります。これを機に日本を代表する高級車としての地位を確かなものにしていきました。
その後もクラウンは時代とともにかたちを変えながら、その時々のユーザーが求めるものに応え続けてきました。
2022年7月に登場した16代目もその延長線上にあるモデルで、「革新と挑戦」というDNAを受け継ぎつつ、多様化する価値観やライフスタイルに応える4つのバリエーションを揃えた新時代のフラッグシップへと生まれ変わっています。
従来はコンサバなFRセダンが中心だった車種構成も、クロスオーバー、スポーツ、エステートという、SUVを含めた4タイプを展開する体制に転換しました。
クロスオーバーやスポーツといったボディタイプが先行して登場した16代目クラウンシリーズのなかで、2023年11月に加わったのが「クラウンセダン」です。正統派セダンとしての伝統を受け継ぎながらも、「ニューフォーマル」という新しい価値観を打ち出したモデルとなっています。
ボディサイズは全長5030mm×全幅1890mm×全高1475mm、ホイールベースは3000mmです。
従来のセダンの型にはまらない、クーペのような伸びやかで美しいプロポーションを目指して設計されています。
デザイン面では、鋭さとワイド感を際立たせるハンマーヘッドと大型の台形グリルを組み合わせたフロントフェイスが目を引きます。
リアには横一文字のテールランプを配置し、室内には大ぶりな杢目調パネルを用い、64色から選べるLED照明による柔らかな間接光が空間を彩ります。
後席に人を乗せるショーファーユースへの配慮も随所に見られます。3000mmを確保したホイールベースにより、ゆとりある後席空間と乗り降りのしやすさを両立。
足まわりには減衰力を制御するAVSを採用し、路面の凹凸を後席まで伝えにくい上質な乗り心地に仕上げています。
パワートレインは2種類です。ひとつは2.5リッターのマルチステージハイブリッド(HEV)システム、もうひとつは走行中に二酸化炭素を排出しない燃料電池車(FCEV)システムとなっています。
ハイブリッドモデルは低速域からの力強い加速感を持ち味に、セダンらしい静粛性と走りの質感を両立。
一方の燃料電池車モデルは3本の高圧水素タンクを搭載し、約3分の充填で約820kmの走行が可能です。

今回の改良では、こうした多様なグレードそれぞれの持ち味をさらに伸ばす方向で手が加えられました。
ドライバーズカーとしての側面を強めるべく、ハイブリッド車には比較的手が届きやすい新グレード「G」が新設され、クラウンセダンを選ぶ層の裾野が広がっています。
一方でショーファーユースに向けたアップデートも実施されています。
最上級グレードの「Z」にはブラックの加飾で精悍な印象を与える「ブラックパッケージ」が標準で加わったほか、販売店装着オプションとして13.2型の有機EL後席ディスプレイが用意され、後席での快適性が高められています。
このほかハイブリッド車ではエンジンカバーが刷新され、見た目の作り込みに加えて、セダンとして求められる静粛性や操縦安定性のさらなる向上も図られました。
一部改良後の車両本体価格は、新グレードのGが649万9900円、Z(HEV)が753万600円、Z(燃料電池車)が853万500円となっています(いずれも消費税込み)。
ディーラーに寄せられている反響について、9月中旬にトヨタディーラーに問い合わせてみました。
「今回の一部改良によるお問い合わせや、ご契約に結びついたケースは今のところありません。最近ですと、歴代クラウンをお乗りいただいた60代後半のお客様から『最後のクルマにしようと思う』と、ご契約いただいたのが印象的ですね。
クラウンを乗り継いでこられた方は、やはりセダンタイプに愛着がおありになるようです。
ご納期については、約5ヵ月を見込んでおります」
他のトヨタディーラーにも問い合わせてみました。
「法人のユーザー様など、(クラウンセダンを新車購入後)初回車検が近いお客様のなかにはお乗り換えをご検討いただいていらっしゃるケースがあります。一部改良モデルだから…ということは特にないと思われます。
今回から標準装備となったZのブラックパッケージをお選びになるお客様が多いです。
ご納期についてですが、ハイブリッドモデルは5ヵ月前後、FCEV車は4〜5ヵ月です」
歴代モデルを乗り継いできたユーザーにとっては、クラウンといえばセダンというイメージがまだまだ強いようです。
余談ですが、セールス氏によると、フルモデルチェンジ直後は抵抗があったけれど、街中で見るようになり「結構良いかも」とお乗り換えを検討するユーザーもいるそうです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当。カーメディアの運営サポートや企画立案・ディレクションが得意分野。またオーナーインタビューをライフワークとし、人選から取材・撮影・原稿執筆・レタッチ・編集までを一手に担う。現在の愛車は、1970年式ポルシェ911S(プラレール号)と2022年式フォルクスワーゲン パサートヴァリアント。














































