人気SUVのトヨタ「C-HR」とホンダ「ヴェゼル」 室内空間や燃費に価格まで徹底比較
4WDモデルの燃費は「ヴェゼル」が圧倒する
「C-HR」と「ヴェゼル」の2台を比較する際に気を付けないといけないことは、「C-HR」のハイブリッド車はFFのみで4WDが欲しい方はガソリンエンジン車しか選択できない点にあります。2輪駆動車はSUVではないとの考え方が主流になっていますので「4WDが欲しい」と思っている場合は必然的にガソリンエンジン車を選ぶことになります。
「C-HR」でいちばん燃費がいいのは2WDハイブリッド車の「G」と「S」が、JC08モード燃費消費率で30.2km/L、「ヴェゼル」は2WD「HYBRID Honda SENSING」の27.0km/Lです。
4WD車で比較すると、「C-HR」はガソリンエンジン車の「G-T」と「S-T」が15.4km/Lに対して、「ヴェゼル」は19.6km/Lです。さらに「ヴェゼル」なら4WDでもハイブリッド車を選べますので、23.2km/L(HYBRID Honda SENSINGの場合)と圧倒的に燃費の面では優位です。
パワーについては、「C-HR」は最高出力98PS、最大トルク14.5kgmの1.8リッター4気筒「2ZR-FXE型」エンジンに、最高出力72PS、最大トルク16.6kgmの「1MN型」モーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、最高出力116PS、最大トルク18.9kgmの1.2リッター4気筒「8NR-FTS型」インタークーラーターボエンジンをラインナップ。
対する「ヴェゼル」は最高出力132PS、最大トルク15.9kgmの1.5リッター4気筒「LEB型」エンジンに最高出力29.5PS、最大トルク16.3kgmの「H1型」モーターを組み合わせたハイブリッドシステムと、最高出力131PS、最大トルク15.8kgmの1.5リッター4気筒「L15B型」エンジンをラインナップしています。
パワー的に大きな差はありませんが、燃費と合わせて検討したほうが良さそうです。
「C-HR」は「Toyota Safety Sense」、「ヴェゼル」は「Honda SENSING」を全車標準装備
いまやこのクラスのクルマでは必須となる先進安全装備についてですが、「C-HR」も「ヴェゼル」もJNCAP(自動車アセスメント)の2017年度予防安全性能評価で最高ランクの「ASV++」を獲得しています。「C-HR」は「Toyota Safety Sense」、「ヴェゼル」は「Honda SENSING」を全車種に標準装備しています。
さらに「C-HR」はプリクラッシュセーフティによる「セーフティ・サポートカー」、「ヴェゼル」はプリクラッシュセーフティに加えアシスト機能により「セーフティ・サポートカーS〈ベーシック+〉」に該当しますので、先進安全装備の充実度でいうと「ヴェゼル」がリードします。
コストパフォーマンスは「ヴェゼル」
価格については、まずベーシックなFFガソリン車で比べてみます。「C-HR」は「S-T」というグレードで229万円(消費税込:以下同様)で、「ヴェゼル」は「G・Honda SENSING」で207万5000円になります。
装備に大きな差はありませんが、「C-HR」は17インチ・アルミホイールが標準装備され、「ヴェゼル」は16インチ・スチールホイールになります。後から交換することになると、「C-HR」と「ヴェゼル」の価格差はぐっと縮まるでしょう。
次にハイブリッド車の上級グレードでは「C-HR」が「G」で292万9200円、「ヴェゼル」が「HYBRID Z・Honda SENSING」で292万6000円と、ほぼ同価格ですが、前述の通り「C-HR」はFFになりますから、コストパフォーマンスは「ヴェゼル」のほうが上でしょう。
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各項目を総合すると、「ヴェゼル」は圧倒的にお買い得感があるように思われます。ところが、冒頭で、2018年上半期販売台数で「C-HR」13位と「ヴェゼル」14位と書いていますが、「C-HR」が3万6334台、「ヴェゼル」2万8377台と、販売台数では「C-HR」が圧勝しています。
デザインは好みが分かれるところですが、概ね「C-HR」のほうが好評のようです。それに、4WDは必要としないというユーザーも多いでしょうから、じつはSUVに求められるニーズに応えているのは「C-HR」なのかもしれません。
【了】