関東エリアの新ルート「外環道」っていつ開通するの? そもそも「そろそろ開通していてもおかしくない状態」だったよね? 「工事中の陥没」で今どうなっている? 難航しているのはどこ?
「外環道」の建設が進んでいます。進捗はどうでしょうか。
順調に行っていればぼちぼち開通していたはず
都心部西側をタテに走る道路として、首都高速の中央環状線や一般道の環七や環八がありますが、いずれも交通量がひっ迫し、パンク状態で年中渋滞しています。そこで、東京都心周辺をぐるりと輪っかをつくるように走る「外環道」が建設されています。
スムーズに行っていれば「そろそろ開通していてもおかしくない」はずだったものですが、どうなっているのでしょうか。
都心部の西側にある練馬区や杉並区、世田谷区は、東京から東海・甲信地方・新潟方面を結ぶ東名高速・中央道・関越道の主要3路線が放射状に伸びています。これらの地域に行くにはこの3つの高速が「第一選択ルート」となっています。
練馬区から世田谷区周辺のエリアでは、環八(都道311号線)か都心寄りの環七(都道318号線)が唯一のまともなタテ軸となっており、この2本で膨大な交通量を支えている現状です。
しかし、住宅密集地かつ都内の主要道路と交差することから、完全にパンク状態で、ラジオの道路交通情報では、毎日環八と環七の渋滞情報が流れ、その名称を聞かない日はありません。
特に世田谷区内の環八は内回り・外回りともに朝夕の混雑がひどく、「環八東名入口」交差点から関越手前の「谷原」交差点までのわずか15kmにも満たない距離が、1時間以上かかる場合も珍しくありません。
ほかにタテ軸といえば、もっと都心寄りの首都高 C2中央環状線しかなく、結局は一般道の移動を強いられます。
そこで、中央環状線よりもさらに外側をぐるりと結ぶのが、外環道です。千葉県市川市の高谷JCTから東京都練馬区の大泉JCTまで、都心外側をぐるっと約50kmで結びます。
高谷JCTでは千葉・成田方面に行く東関東道、京葉JCTでは千葉・蘇我方面に行く京葉道路、三郷JCTでは茨城・福島方面に行く常磐道、川口JCTでは東北道、美女木JCTでは首都高S5埼玉大宮線、大泉JCTで関越道とそれぞれ接続。
各方面に向かう主要高速のほぼすべての路線と連絡するため、完全にパンクしている都心部を通り抜けることなく、主要高速から別の主要高速に乗り換えることができます。
なお、道路は高速道路(自動車専用道路)の部分と一般道(国道298号)で構成され、これらを含めた総称が「東京外かく環状道路」です。一般には高速道路の部分のみを指して「外環道」と呼ばれています。

1992年に和光ICから三郷JCTまでの26.2kmが開通。1994年に大泉ICから和光ICが開通。以後も2005に三郷JCTから三郷南ICまでが延伸。そして2018年には三郷南ICから高谷JCTまでを含めた千葉エリアの15.5kmが開通し、今の形になりました。
すでに開通部の一般道の交通量は減少が見られており、特に千葉エリアでは外環沿線のタテ軸が少なかったことから、開通後には市川市や松戸市内の一般道はかなり余裕が生じました。
さて、この外環道はまだ全線が開通していません。大泉ICから南下し、東名高速と接続する世田谷区の東名JCT(仮称)までの約16kmの区間です。途中、三鷹市内の中央JCT(仮称)で中央道に接続します。
ここが開通していないことで、せっかくの外周ルートのポテンシャルが発揮されておらず、最も利用する人が多い関越〜中央〜東名は、都心の首都高を使うか、環七・環八に頼らざるを得なくなっています。
もし開通すれば、関越から東名までの所要時間はわずか「12分」と、驚異的に短くなります。高速を乗るために仕方なく環七・環八を通っていたクルマは外環に切り替わり、交通量が減少。
環七・環八と交差する国道20号 甲州街道や国道246号などもスムーズになるでしょう。
気になる進捗ですが、順調であれば「そろそろ開通していてもおかしくない」状態でした。しかし、工事中のトラブルで、いまだ「開通予定は未定」です。
そのトラブルとは、「大規模な陥没事故」です。2020年10月に調布市内で地下トンネルを掘削中、地上で陥没が発生。陥没は深刻で、周辺家屋の立ち退き後、地盤をセメントで固める改良工事が必要になっています。
工事は2023年8月に開始され、直径約4m・長さ約40mのパイプ計220本を地中に打ち込むという地道な作業です。1本分を仕上げるのに、約5日かかるといいます。
2025年11月末の時点で6割が完了しているとのことですが、2026年12月に工事が完了する予定がさらに1年ずれ込んだと報告されています。まずはこの工事が終わらなければ、トンネルを掘ることすら出来ない状態です。
そのため、東名JCTから北に掘削を進めているシールドマシン2基「がるるん」(外回りトンネル)、「みどりんぐ」(内回りトンネル)が完全停止中。
そのほかも、大泉JCTから南に進み、内回りトンネルをつくるシールドマシン「グリルド」も、西武新宿線 上石神井駅南側の青梅街道の下で2026年1月中旬、掘削中にカッターの回転ギアから異音が発生。点検したところギアの変形が確認され、掘進が停止しています。
トラブルが多発している外環道ですが、まずは道路陥没に対する地盤改良が完了するところが課題です。ここが完了しなければ、トンネル貫通も先となります。
もちろん、「貫通しただけ」ではクルマが通れないので、コンクリートで覆う覆工や各設備の設置なども必要で、さらに時間がかかります。
無事に地上の陥没対策が終わるのを待つしかありません。
Writer: くるまのニュース編集部
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