日本の大動脈「新名神高速」っていつ開通するの? そもそも「3年前に開通しているはず」だったよね? 「工事完全ストップ」でどうなっている? 難航しているのはどこ?
「新名神高速」の建設が進んでいます。進捗はどうでしょうか。
「3年前に開通していたはず」の新名神
まごうことなき西日本の大動脈「名神高速(名神)」は交通量がひっ迫し、パンク状態で年中渋滞しています。そこで、バイパスとなる「新名神高速(新名神)」が建設されています。
スムーズに行っていれば「もう数年前に開通している」はずだったものですが、どうなっているのでしょうか。
名神は、滋賀・京都・大阪・神戸と通り抜け、東海〜近畿地方を結ぶ「第一選択ルート」を担っています。
しかし、昔ながらの狭い4車線設計でカーブも多いうえ、渋滞しやすいポイントも数多くあります。
高度経済成長期の開通から半世紀が経過したことで、交通量は爆増したものの、それに対応できるほどの余裕はありません。しかも、年数が経過したことで、激しい劣化も発生しています。
そこで、並行する第二のルートとなるのが新名神です。伊勢湾岸道と接続する三重県四日市市の四日市JCTから神戸市の神戸JCTまで、総延長約160kmで結びます。
ルートはそのまま名神をなぞるのではなく、海側の伊勢湾岸道 四日市JCTからほぼ真西に進むため走りやすく、しかも最短距離です。
四日市JCTでは伊勢湾岸道と新東名から直通してきて、神戸JCTではそのまま山陽道に直通するため、東日本〜西日本における大動脈を構成します。
2008年2月に亀山JCT~草津田上ICが開通後、2017年には城陽JCT~八幡京田辺JCTと高槻JCT~川西ICが、2018年には川西IC~神戸JCTが順次開通済みです。
特に高槻JCT〜神戸JCTにかけては、関西屈指の大渋滞ポイントである吹田JCTを回避でき、四日市JCT〜草津JCTにかけても、滋賀の琵琶湖東側に沿って走る必要がなくなり、すでに大きな恩恵を享受できています。

さて、いっぽうで、まだ全線開通はしていません。滋賀県と京都府、京都府と大阪府のそれぞれの区間が「ブツ切れ未開通部」として残っています。
具体的な未開通区間は、大津JCT(滋賀県)~城陽JCT(京都府)の約25.1km、八幡京田辺JCT(京都府)~高槻JCT(大阪府)の約10.7kmの2区間です。
ここが開通していないことで、せっかくの快適短縮ルートのポテンシャルが発揮されておらず、結局既存の名神の混雑ポイントである「旧山科バス停」や大山崎JCT、「天王山トンネル」を通らざるを得ません。
もし全線開通すれば、これらのポイントはすべて回避できるとともに、岐阜や滋賀湖東を通るルートと新東名で2つのルートとなり、それぞれ分散。豊田JCT~神戸JCTの所要時間は名神・中国道経由で約160分かかっている現状が、約120分に短縮されます。
そして距離も240kmだったものが、新名神経由にすることで約40kmも短縮の200kmになり、これは大阪駅〜神戸駅、新宿駅〜横浜駅間に匹敵するなど、かなりの短絡になります。
気になる進捗ですが、実は本来「もうすでに開通しているはず」でした。当初、2023年度の開通を予定していたものの、各所で工事や用地買収が難航。いまだ「開通予定は未定」です。
まず西側の大津JCT~城陽JCT間では、2026年7月末時点で、すでに用地取得が完了。同区間の工事着手率は100%で、工事の完了を待つ状態です。
京都府内では城陽JCT付近の「城陽高架橋」「富野高架橋」などがほぼほぼ完成。残すは舗装や設備工事の段階です。土工区間の工事も進んでおり、「宇治田原IC」付近も徐々に本線の姿を表しています。
ただし、2025年12月の「第4回連絡調整会議」の情報では、この後の工事には時間がかかる見通しが発表されており、クルマが通行できる舗装工事の完了までには少なくとも3年以上かかるとしています。
そして、予想外に難儀しているのが八幡京田辺JCT〜高槻JCT間です。第4回連絡調整会議では、この区間の内容報告がメインになっています。
肝心の高槻JCTの一部では用地取得に難航。2026年7月末でようやく100%となりました。
工事も順次着手しており、着手率は100%となっているものの、この区間は土工区間が約2割、トンネルが約4割、橋りょうが約4割を占めるという、構造物の多い区間で、しかも付近には住宅や工場、既存の道路や東海道新幹線、JR京都線などをかわさなければならないなど、作業するうえでの障害物も多くなっています。
また、同区間の4割を占める「枚方トンネル」の工事では、別の道路工事で発生した事故の影響を受けることになりました。
2020年、東京都内の外環道建設現場でトンネルを掘削中、地上で大規模な道路陥没事故が発生。これを機に2021年12月に「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」が策定され、設備の追加や施工の変更が生じ、工事全体の計画が見直しされています。
さらに、予定していた工法で進めようとしていたなか、同じ工法の別の工事で作業時間の増加と騒音の増大が発生。追加手順が発生することになりました。
枚方トンネルはこれらの影響を受け、完全ストップとなっています。工事は2026年度の冬ごろから稼働する予定ですが、掘進するうえで一切の支障物がなく、順調に進んだとしても、2027年度までの開通は困難だとしています。
トンネル工事完了の見通しがたった時点で、改めて開通目処が公表される予定です。
残る部分は比較的順調で高槻JCT周辺では国道171号をまたぐ区間に橋桁がかかりました。残るは東海道新幹線や阪急、JRをまたぐ部分で、着々と工事が進められています。
最大ポイントは枚方トンネルで、ここが貫通しなければ、開通見込みは明らかになりません。ひとまずは、無事にトンネル工事が終わるのを待つしかありません。
Writer: くるまのニュース編集部
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