13年ぶり“復活”!? 超流麗ボディの新「“4人乗り”スポーツカー」初公開! 全長4.7mボディに「後輪カバー」採用! “XL1”のDNA受け継ぐVW「ミッション・エフィシェンシー」独国で登場
フォルクスワーゲンは2026年9月14日、新たなコンセプトカー「ミッション・エフィシェンシー」を初公開しました。高い効率を記録した新モデルは、どのようなクルマなのでしょうか。
「XL1」を思わせる超空力ボディ
フォルクスワーゲン(VW)は2026年9月14日(現地時間)、電気自動車(EV)のコンセプトカー「Mission Efficiency(ミッション・エフィシェンシー)」をドイツで初公開しました。
最大の特徴は、バッテリーを大型化するのではなく、空気抵抗や走行抵抗を徹底して減らすことで航続距離を伸ばそうとしていることです。
実走行では6.89kWh/100km、つまり1kWhあたり約14.5kmという優れた電費を記録しています。
ミッション・エフィシェンシーの姿を見て、かつてVWが開発した「XL1」を思い出す人もいるかもしれません。
XL1は2013年に登場した2シーターのスポーツカーで、「100kmを1リットル以下の燃料で走る」という目標から生まれた、いわゆる“1リッターカー”です。ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車(PHEV)で、空気抵抗を減らすためにティアドロップ形状の低く流麗なボディを採用していました。
VWも今回、ミッション・エフィシェンシーについて「XL1のDNAが息づく」と説明しており、XL1を現代へとつなぐ高効率なスポーツカーとして位置づけています。
ミッション・エフィシェンシーも、その思想を受け継いだかのようなスタイルです。後輪をボディで覆うなど空力性能を徹底して追求し、空気抵抗係数を示すCd値はわずか0.158を達成しました。
この数値は、公道走行が認められたクルマとして世界記録になるとしています。
ボディサイズは全長4775mm、全高1392mmで、長く低いプロポーションが特徴です。一方で、実用性も無視していません。
前席には大人2人、後席には身長約1.6mまでの乗員2人が乗車できる2+2シーターとし、荷室容量も481リットルを確保。2人乗りだったXL1とは異なり、日常生活で使えるパッケージングを目指していることがわかります。
さらに興味深いのが、ミッション・エフィシェンシーが特殊な専用プラットフォームでつくられた実験車ではないことです。
基本設計には、「ID.ポロ」や「ID.クロス」といったVWの新世代コンパクトEVと共通する「MEB+」を採用。最高出力99kW(135馬力)のモーターや高電圧バッテリーもID.ポロのものを活用しています。
駆動方式は前輪駆動です。
バッテリー容量は54.9kWh。実走行では6.89kWh/100km(約14.5km/kWh)という電費を記録しており、単純計算なら1回の充電で約797km走れる計算です。
さらに68km/hの定速走行では6.48kWh/100km(約15.4km/kWh)を記録しているため、理想的な条件では航続距離800km超に相当する効率となります。
なお、公式に記録された実走行テストでは、ドイツ・ヴォルフスブルクからポーランド、チェコを経てオーストリア・ウィーンまでの1278.36kmを走行。途中でバッテリーを一度充電し、到着時には164kmの航続可能距離を残していました。
航続距離を伸ばす工夫はほかにもあります。
ガラスルーフとトランクリッドには370Wのソーラーパネルを搭載。季節や地域、天候によっては、実際の航続距離を1日あたり最大30km伸ばせるとしています。
空力性能を考慮したホイールに加え、コンチネンタルと共同開発した専用の低転がり抵抗タイヤも採用しています。ホイール内への空気の流入を抑えるリムディフレクターなど、細部まで空気抵抗を減らす工夫が施されました。

近年のEVでは、大容量バッテリーを搭載して航続距離を伸ばす方法が一般的です。しかし、バッテリーが大きくなれば車重やコストも増えてしまいます。
そこでミッション・エフィシェンシーは、必要なエネルギーそのものを減らすという逆方向からアプローチしました。しかも、ID.ポロやID.クロスに使われる量産技術を活用している点も見逃せません。
Writer: 生方 聡
1964年生まれ。1992年、システムエンジニアから自動車誌「カーグラフィック」の記者に転身。現在はフリーのライターとして試乗記やレースレポートなどを執筆する一方、エディターとしてウェブサイトの運営などに携わる。愛車はVW ID.4とゴルフGTI。































