日本三大怪魚を食べる!? 青森の海辺で味わう「幻の魚・いとう」と「ひらめ」の贅沢丼が激ウマだった!
昭和という時代の“空気感”を色濃く残すドライブインは、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回は、約1年前に断念した「汐風ドライブイン」(青森県西津軽郡鰺ヶ沢町)を再訪し、“幻の魚”とも呼ばれる「いとう」をついに味わってきました。
“生モノ”のメニューは、「1時間待ち」がデフォルト
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少していると言われています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。
青森県の日本海沿いを走る国道101号、“絶景ドライブ”のルート上に位置する「汐風ドライブイン」は、どこか懐かしい海辺の食堂を想わせる“昭和のドライブイン”です。
筆者(のぐちまさひろ)が同店を訪れるのは、今回が初めてではありません。
実は昨2025年の9月、大学時代の友人らと「いとひら丼」を求めて立ち寄ったものの、「生モノは1時間待ちなんです……」と言われ、泣く泣く断念したという苦い経験があるのです。
たったひとりのクルマ旅だった今回は、何の制約もないので余裕しゃくしゃく。
一方、同店の駐車場は、昼メシ時をとっくに過ぎているのにギッシリで、その人気ぶりは、前回と変わっていません。
同店のルールでは、まずは自分の席を確保し、その後に食券売り場で注文する流れとなります。
![[「汐風ドライブイン」(青森県鰺ヶ沢町)/Photo:のぐちまさひろ]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/09/20260904_DRIVE-IN_SHIOKAZE_AOMORI_000.jpg?v=1788511562)
この日は海が見える座敷席の片隅をキープしつつ、心の中では小さくスキップしながらオーダーへ。
もちろんオーダーの品は、とっくに決めています。
そう、幻の魚・いとう&鰺ヶ沢名物・ひらめを贅沢に味わえる「いとひら丼」(1980円)です。
筆者のオーダーに対し、レジのおばさまから返ってきたのは、「生モノは1時間待ちですけど、いいですか?」というセリフ。これまた1年前と、まったく同じシチュエーション。
どうやら“生モノ”のメニューは、1時間待ちがデフォルトになっているようです。
旅先の「1時間」は、日常の1時間とは少し違う
1年前は待てなかった「1時間」も、今回はむしろ歓迎です。
旅先の楽しみにしていた食事が、牛丼チェーンのようにあっという間に提供されたら、拍子抜けどころか、がっかりする可能性すらあります。
考えてみれば、旅先での「待ち時間」は、日常のそれとは少し意味合いが違うのかもしれません。
普段なら「まだかな……」と時計ばかり気にしてしまう時間も、旅先ではその土地の景色を眺めたり、店内を観察したり、次の予定を考えたりするだけで、それなりに楽しく過ごせます。
ちなみに同店にはエアコンがなく、暑さをしのぐ頼みの綱は、扇風機とうちわ。青森という地域性もありますが、これもまた、昭和レトロなドライブインらしさかもしれません。
冷たい水を飲みながら海を眺め、写真を撮ったり、豊富すぎるメニューを眺めたり……。そうこうしているうちに、普段なら長く感じるはずの1時間は、意外なほどあっさりと過ぎていきます。
そして、「お待たせしました。いとひら丼でーす」。
1年越しの瞬間が、ついにやってきました。
華麗な味わいは、卵黄のリンクで踊る“りくりゅうペア”のよう!?
約1年+1時間待って、ついにご対面となった「いとひら丼」。淡いオレンジ色の「いとう」と鰺ヶ沢名物の「ひらめ」、太陽のように輝く卵黄、たっぷりの薬味が、至福の時間を予感させます。
そもそも「いとう」とは、どんな魚なのでしょうか。
聞けば、魚ヘンに「鬼」と書く「いとう」は、体長1mを超える日本最大級の淡水魚。釣り人の間では“日本三大怪魚”のひとつとして知られ、一度は釣ってみたい憧れの存在なのだとか。
現在は北海道にわずかに生息する絶滅危惧種ですが、ここ鰺ヶ沢町では、白神山地の豊かな水を利用して養殖されています。
大まかな素性を知ったところで、さっそく箸を伸ばします。
「おおっ? ちょっとサーモンに似てるかな」
“幻の魚”と聞いて、勝手にややクセのある味を想像していたのですが、ほどよく脂が乗った切り身は上品そのもの。柔らかな口当たりも相まって、ゆっくりと噛みしめながら味わいたくなります。
一方の「ひらめ」はいとうよりも淡白ながら、引き締まった食感や爽やかな旨みがたまりません。交互に食べ比べると、それぞれの個性や魅力がさらに引き立ちます。
そして、卵黄をプツッと崩せば、濃厚な黄身がトロ~リ。これを「いとう」と「ひらめ」、そしてご飯に絡めれば、味わいは一気にまろやかに。
むりやり例えるなら、卵黄というリンクで踊る、フィギュアスケートの“りくりゅうペア”のような多幸感(!?)に包まれるはずです。
「これは反則だなぁ……(笑)」
1年前には口にすることすら叶わなかった「いとひら丼」ですが、いざ食べ始めてしまえば箸が止まりません。
待っている時間もひっくるめた“ごちそう”に大満足
最後のひと切れまでじっくり味わい、「いとひら丼」をキレイに完食。1年前から持ち越していた宿題を、ようやく終えたような気分です。
振り返ってみれば、この一杯にありつくまでに約1年。そして今回も、注文してから約1時間。ずいぶんと時間のかかった昼メシになりました。
とはいえ、もしかすると旅先で食べる料理は、味だけでなく、そこへたどり着くまでの道のりや、待っている時間までひっくるめて“ごちそう”なのかもしれません。
いずれにしても汐風ドライブインは、“さくっと食べて、すぐ出発”するにはもったいない場所。
日本海を眺め、昭和レトロな店内でのんびり過ごし、豊富なメニューに目移りしながら料理を待つ。そんな待ち時間まで楽しみたくなるドライブインです。
そんなことを思いながら店を後にすると、駐車場の端っこにあるソフトクリーム屋さんが目に入ってきました。
実は1年前、「いとひら丼」を断念した筆者を救ってくれたのが、こちらのソフトクリームでした。
ところが、この日はまさかの臨時休業(!?)。1年前は「いとひら丼」が×で、ソフトクリームが○。今回は「いとひら丼」が◎で、ソフトクリームが×。
まあ、それもまた旅の楽しみということで。日本海を横目に国道101号へと戻り、次なる目的地へクルマを走らせるのでした。

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■汐風ドライブイン
所在地:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町赤石町大和田38-1
営業時間:10時00分~18時00分
定休日:年末年始
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「7.7」→「8.6」→「7.1」→「5.6」。


















































































